南青山オフィス・店舗 | 天高3,500mmの健やか空間

>>LOCATION
路面店舗が連なる骨董通りを、狭い歩道をすり抜ける様に進み、どこか懐かしいお弁当屋さんの交差点を六本木通り方面へ。8年ほど前に開通した150mほどのこの通りは、その歩道の広さもあってか、少しホッとする様なのんびりとした空気感が心地よい。この辺りから広尾方面に向かって徐々に住居エリアの色合いも濃くなり、街並みの雰囲気はグッと落ち着いてくる。そんなエリアにあって、普段なら気にも留まらない様な、歩道から奥に入った位置にある建物低層部分に、ポツンと潜む空間を見つけた。

>>SPACE
南青山らしい高級レジデンスの低層にあるオフィス区画という、一風変わったこの空間。住居の入り口は反対側にある為、正面から見ただけだと住居とオフィスの切り分けはほぼ認識できず、ここにオフィスがあるということ知る人は案外少ないだろう。引っ込み思案かと思うほどに歩道から距離をとったエントランスの先にあったのは、1F正面入り口すぐ脇に位置する、周囲から孤立した様な不思議なスペースだった。
整形の空間は、開放的な窓面と3.5mほどの天井高を確保し、壁面と天井の白と、床のグレー、そして窓先にある緑というシンプルな構成。専用利用はできないが、人の通らない窓先のテラスごと緑に囲まれていることもあり、1Fでありながら、どこか外界から切り離された様にすら感じてしまう不思議な魅力のある空間だった。

>>HOW TO USE
室内を見渡すと、綺麗に整えられた壁面や天井とは裏腹に、床はコンクリート剥き出しで仕上げ待ち。そして、空調と給湯設備はないが、トイレは二箇所というどこかアンバランスな状態だ。一見整っていそうで、いろいろ足りないという現状は、クールなふりをしているのにどこか抜けているヤツの様で、ちょっとした愛嬌すらも感じてしまう。色味的には全体的に淡々としすぎている様な気もするので、窓先の緑に合わせて床や照明にて暖かみをプラスして、より親しみやすい印象に整え、居心地の良さを高めてもいいだろう。
1Fにも関わらず、外部からの視線や雑音を感じることのないこの空間。集中して目の前の仕事に向き合うにはまたとない環境で、オフィスに籠ることが多くなったとしても、窓先の緑やテラス部分に出ての深呼吸など、適宜気分を紛らわることも出来るはず。隠れ家というほどの怪しさはないが、お忍び感のある自分達だけの別邸の様な場所として、周囲の喧騒から敢えてHANAREてみるのも悪くないのでは？

もしかしたら空調については、貸主側のご好意へ期待する、、という可能性も0ではないらしいので、まずはご相談を。空間の素地としてはとても良いものを感じたが、多少整備が必要なこともあって、現時点の注目度はまだそこまで高くないとのことで、チャンスはまだまだあるかもしれない。