神宮前オフィス |バルコニー付物件
EDIT
>>LOCATION
個性の強いアパレルショップ、カフェ、美容室などがぎゅっと並んだ原宿通り(通称:とんちゃん通り)。通りの終わりを示すアーチを潜り、神宮前2丁目方面へと抜けると、次第にショップと共にマンションが点在するエリアに変わる。車通りは割とあるが、歩道がゆったりとしていて、見かける人ものんびり歩いている人ばかりだったせいか、あまり忙しない感じはせず、なんならのどかさすら感じる。
そんなエリアに、真っ白なブロックを積み重ねて出来たような、街に馴染みつつも個性を発揮しているこの建物を見つけた。
>>SPACE
レトロな木製の玄関扉の先にある室内は、正方形に近い形に取られた空間で、入った瞬間に3面の窓と2つのバルコニー、そこからの光が反射するフローリングが視界に飛び込み、ぱっと明るく爽やかな印象を受ける。そして、経年の雰囲気を纏った空間には、新品ではまず見かけない丸っこい形をしたトイレや洗面台、とことん無駄を削ぎ落としたようなステンレスのキッチンがうまく噛み合い、古くても垢抜けたような雰囲気がとても愛らしく感じた。
それに加えてこの区画は、なんと言っても窓先の景観の抜けの良さがたまらない。バルコニーからの景色は、すっと空が開かれたかのように遮るものが何もなく、視界の半分から上は青空が、半分から下はビルの頭がぎっしり詰まっている。そんな景色を独り占めできる気持ちの良い空間だった。
>> HOW TO USE
前述したような景色の抜け感を意識して、外と内の境目を超えたような空間利用を試みてほしい。例えば、ソファの背中は壁際に寄せてレイアウトしてしまいがちだが、部屋の真ん中を背面として、バルコニーの方を向いて設置してみるのはいかがだろうか。そしてバルコニーはもちろん、寛ぐための場所として全力を尽くす。お気に入りの椅子にミニテーブル、ハンモック、夜は足元に雰囲気を増長させるライトとかをおいてみるのも素敵だろう。
室内はそのままでも気持ちの良い空間なので、特段手を加える必要はないかもしれないが、照明だけは色気のない蛍光灯がくまなく敷き詰められているので、ダクトレールなどに変更をして、この空間のもつ色っぽさを損なわないように利用していただきたい。
50年近い時代を超えて、今もなお入居者に愛され続ける建物。時代も、室内と室外の境目も超えて、愛し続けてくれる入居者をこの空間は待っている。
EDITOR’S EYE
建物を外から見上げると、各部屋のバルコニーからもさもさと植物が溢れていて、入居者それぞれがその空間とバルコニーを愛し、植物と共に手を入れ育てているのだろうなと感じた。もし自分が入居するなら、歴代の入居者のなかで一番愛情を注いであげたい。ささやかな歴史の1ページに名を残す気分で。