南青山SOHO |3面採光のリノベーション物件
EDIT
>>LOCATION
岡本太郎記念館のお隣りにある今回の物件。周囲は根津美術館、ブルーノート東京などに囲まれ、芸術的なムードが漂う。駅から少し距離を取っていることもあり、あたりは比較的静かで穏やか。そのおかげで、溢れるアートの匂いがより鮮明に届いてくるような感覚を覚える。
お隣の強い空気感をよそに、至ってマイペースに佇むような、そんな物件を見つけた。
>>SPACE
今回の物件は、外観こそ街の中に馴染んでいるが、部屋に入ると少し違った表情を見せる。ドアを開けた時の第一印象は、「いいやつそう」。どういうことかというと、部屋中にバランス良く点在する窓によってもたらされる十分な光、木目調の明るい床やサッシ、スタイリッシュ過ぎないキッチンなどの細かい要素から、気取らない明るい人みたいな雰囲気を感じたから。ここにたどり着くまでに、4階分の階段を上がらないといけないという苦労はあるが、上らせちゃってごめんね、なんて言いながら笑顔で出迎えてくれるような、そういう暖かみのある空間だった。エントランス含め共有部は、築年数相応の時の流れを感じるのだが、ドアの内側は綺麗に保たれ、フレッシュな匂いすらする。そして、3面にとられた窓が部屋中を明るく保ってくれているので、一歩部屋に入ればこの建物の歳のことなど忘れてしまうかもしれない。
明るい空間に、一部には木の張り板などがありナチュラルで暖かい印象なのに対して、天井は綺麗に整えられたスケルトン状態。ちゃっかりクールな顔も持ち合わせているのも魅力的だ。そこも、気取っているのではなくて、「ちょっとかっこつけたくて」と素直に言っちゃうような性格に感じるから不思議。
>>HOW TO USE
この空間は、このまま余計な仕切りを設けずに使ってもらいたいと思う。縦に空間が伸びる間取りになっているので、両端の窓を開ければ心地よく風が通ってくれるはずだ。それに伴い味を出してくるのがキッチン。空間を仕切らないとなると、全体の真ん中あたりに存在するしっかり目のキッチンが、働く空間の中心で共存することになる。がつがつと働くよりは、暮らすことの延長上に仕事があるような心構えがこの空間にはマッチしているかもしれない。音楽をかけてノリノリで働くのもよし、みんなでランチや夜食を作って食べるのもよし、それぞれのデスクを寄せて、コミュニケーションを取りながら仕事に励む。ウォークインクローゼットも備わっているので、楽な部屋着などを入れておいてもいいかもしれない。自分が一番リラックスできる格好で、のびのびと仕事をすることが許されるオフィスだと思う。
正直、4階まで階段のみというのはネックになるかもしれない。しかしこの空間は、気取らない良いやつだけど、仲良くなるまでちょっと時間がかかる、そういうやつなのだ。そして、そういうやつに限って、あっという間に大切な存在になっていたりする。気高く、背筋の伸びるような街の中で、肩の力を抜いて出迎えてくれるこの空間は、やっぱり第一印象変わらず「いいやつそう」だと感じた。
EDITOR’S EYE
静かで穏やかな周辺環境にありながら、お隣からはビシバシと良い刺激を浴びながら過ごすことができそうだ。リラックスした日常の中で授かる刺激の効果は凄まじいだろうな、と個人的には羨ましく思う。