南青山オフィス・ショップ｜キラー通りを眺めるスケルトン空間

>>LOCATION
最寄となる外苑前駅から徒歩4分、かつては一帯のランドマークとしてベルコモンズがそびえ立っていた南青山3丁目交差点。その跡地には現在「the ARGYLE aoyama」が今まさにオープンを迎えようとしており、盛り上がり再興への期待感に溢れる場所と言えるだろう。交差点からFrancfranc脇をキラー通り沿いに少し進んだ場所にある、アール状の外観が特徴的なこちらの物件。一面のガラスウォールのせいもあり、ハイエンドな雰囲気を感じるが、そんな煌びやかな見た目と違い、内部にはまだ磨かれていない原石の様な空間が眠っていた。

>>SPACE
建物2Fとなる募集区画は、約290坪全てがスケルトン仕様。扉を開けた瞬間は、その普段あまり見慣れない視線の抜けに思わず声が漏れてしまった。今後フロア中央で2区画に分割しての賃貸予定との事だが、現状1フロア丸ごとの状態でも、空間内のエリアごとでキャラクターが分かれており、それぞれが個性をしっかりと持っていた。
キラー通り側でウィンドウ越しの並木がやけに爽やかな正面側区画は、Rを描いた窓面がなんとも印象的。ハーフミラーの様な窓面から、薄い青味がかった光が差し込み、妖艶かつクリーンな雰囲気。反対側には、建物に囲まれキラー通りから視線の届かない広めのテラスがあり、チェアを並べての気分転換にはもってこいのはずだ。
南側にあるRCの堅牢な柱が存在感のある裏側区画は、その整ったフロア形状もあってか、幾分カチッと落ち着いた雰囲気。もちろん両区画とも天井は剥き出しだし、壁面にボードを貼り付けた跡が残っていたりする現状だが、不思議な品の良さを感じてしまうのは、この立地だからなのかもしれない。

>>HOW TO USE
スタンダードなオフィス仕様へと変更する予定もあるとのことだが、現状の雰囲気を考えると、それもいささか味気ない。面積的なものもあって、この状態からの工事費用は軽くないが、それでも手に入れたいと思わせるこの特徴的な立地と雰囲気の良い空間。外観のグレード感とギャップある素の状態のままでも、光の入り方や落ち着いた大人っぽい空間含め、十分魅力的と言えるだろう。この状態から躯体全てを覆い隠し、このエリアらしくパキッと仕上げるのももちろんありだし、所々素材感をむき出しにして敢えてラフさを残すのも、また青山らしい感度の表現と言えるだろう。
オフィス移転、新規出店に関しても、企業ごとに空間や立地に対して求めるものが多様化した時代。青山らしいステータスも欲しいし、利便性も犠牲にしたくない、もちろん空間としての魅力も欲しいし、という要望は一見わがままとも思えてしまうが、欲しいものは欲しいのだから仕方ない。この空間には、そんな手に入れたいと思える要素の多くが詰まっているので、欲張りを突き通したいという方は要チェックだ。

現状はスケルトンとなるが、通常のオフィス仕様での引渡しも可能。少し気合を入れた内装工事が必要となるが、用途としてはクリニック業種やサービス店舗も相談可。決して割安な賃料ではないが、ショールームなどとしても、このわかりやすい立地の建物だけにありだろう。
すぐ近くの南青山交差点に出来る、オフィスやホテル、商業施設の複合ビルのピカピカなステータスはもちろん魅力的だが、こちらはこちらでその味わいのある雰囲気や長くこの地にあったという歴史もあり、先輩としての威厳はまだまだ健在だ。