麻布台オフィス｜リノベ予定 窓に囲まれた開放的空間

>>LOCATION
2022年を目処にスーパーや商業施設の入居する超高層ビルが建設中となり、来るたびに景色が変わる神谷町駅周辺。再開発エリアの立ち退きなどもあって今はどこか寂しさすら感じてしまうが、完成すれば人通りや活気も格段にレベルアップし、すぐ近くにある虎ノ門ヒルズ周辺に負けないものになりそうだ。
駅から少し歩いた飯倉の交差点。「東京タワー」と「NOAビル」と「警察車両」というこのエリアの特徴でもある3点セットを脇目に、六本木方面へと少し歩を進めた場所にこの建物を見つけることが出来る。経年のせいか少々野暮ったく感じる外観ではあるが、内部にはキラリと光る空間を隠していた。

>>SPACE
築年数古めのビルのワンフロアを、新規にリノベーション予定のこの空間。内装の仕様としてはシンプルで、3.3mほどの高さを確保し味のあるコンクリート剥き出しの天井に、黒い照明レールとグレーのエアコンと落ち着いた仕上がりを予定。床はカーペット仕様の予定とのことだが、好みに合わなければ、これは変えられるものとして割り切っても良いだろう。
もちろん、リノベーションによって格段に魅力が引き出されるということは前提として、この物件の真価はその内装の仕上がりではなく、この空間の持つポテンシャルの高さ。実に225坪ほどの面積を確保しながら、空間中央にエレベーターや共有トイレを配置しており、ぐるっと回遊できる空間は四方全てが窓。ロシア大使館の緑が眺められるパノラマビューはもちろんだが、空間の四隅に至るまで全てが窓に囲まれている。室内全体が一目で見渡せる訳ではないこともあって、パッと見では広さの底が知れない奥行きを感じさせてくれた。

>>HOW TO USE
内装はそう大きく手を加える必要はないだろう。唯一味気なく感じる床材のみを変更するとすれば、この大空間の長手方向に木目を合わせたフローリングなどを敷いて頂くと、どこまでも直線が続くような演出が空間のシャープさをより際立たせてくれるはずだ。
現状のフロア形状を上手く活かし、中央をぐるっと囲むように動線を確保してそれぞれの部署を窓側に配置。所々動線部分からすぐの場所にフリーで使える大きめのデスクを配置するなどすれば、すれ違いざまの何気ない会話や、視線を交わすことによる突発的な打ち合わせなど、部署の垣根を超えたコミュニケーションも今以上に活発になるはずだ。
敢えて細かく室内を区切らないことで、窓先含めどこまでもオープンに感じさせる環境は、全方位外交ならぬ、分け隔てない360°コミュニケーションにピッタリハマる。働き方の進化により今後オフィスに来る機会が少なくなったとしても、こんな空間であれば組織の一体感を損なうことはないだろう。

四方を窓に囲まれた空間だけあって室内は明るく、日中も手元以外は照明をつけずにこの何処か艶っぽい雰囲気を活かしてみるのも悪くない。
ロシア大使館目の前という立地もあり常に周囲には警察官が複数おり、セキュリティも万全だ。今後の再開発で一体の人の流れが変わることもあり、今抑えておくべき空間と言えるだろう。