南青山オフィス|表参道 スケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
表参道駅より5分程の骨董通り沿いに建つ大型マンション。道沿いには骨董通りとの名前の印象とはかけ離れ、華やかなショップや、飲食店が軒を連ねる。行き交う人も何かを鑑賞する様子もなく、青山らしくスマートに道を急ぐ。この建物は、そんな通りの中央あたり。40歳を越える年齢のわりには綺麗に保たれた外観の建物で、その立地と規模、認知の強みもあり、今では多くの区画が今風におしゃれなリノベーションされたりと、時代は変わりながらもその役割を住居からオフィスへ変え愛されている建物だ。
>>SPACE
空間はご覧の通り思いっきりのスケルトン。せめてものお詫び、、のように取り残されたエアコンは地味に有難いが、それ以外はトイレすらもなく、ほぼほぼゼロからのアレンジが必要な状態だ。撮影時は工事完了前ということもあって、さらに散らかっている状態でもあり、テンションが上がりきるまで少し時間を要したが、ここでもやっぱりジワジワと効いてきたのが、“すっぴんコンクリート”の味わい。正面からの十分な日差しによって、グラデーションのように変化が生まれる室内。小ぎれいに真っ白にしてしまいたいという気持ちもわからなくないが、この空間の状態は中々の色気を持っているので、骨董通り沿い築40年の建物の一室感を十分に味わえるこの質感を簡単に無くさず、できれば味わっていただきたいと思った。
>>HOW TO USE
この物件、もともとは居住をメインとしたマンションとして活躍していたが、年齢の限界からか、今ではすっかりオフィスとしての割合も多くなっている。そしてこの数年は、そのサイズ感からか、はたまたスケルトンにした時の素地の色気に引き寄せられたか、クリエイターやクリエイティブな会社の入居者が目立つ。画一的な新品を好まないこだわりの強い人たち。物や空間に味わいを求め、その唯一無二な存在を良しとする感覚。これはもともとのこの通りに多く集まった、骨董好きにつながる感覚にも思え、勝手に妄想して、勝手に成る程と納得できた。時代は変わり、空間の用途も変われど、いつの時代も自分たちの趣向を大事に楽しむ人種にこの場所は愛されているのかも。そう思えば、やはり、この空間は簡単に白く塗るべきではなく、思慮深く自分の感覚と向き合い、大事に仕上げていただきたい。
そして、そんな空間との向き合い方ができる人たちになら、いつもの働き方の提案なんて不粋な話だと思った。
EDITOR’S EYE
つらつらと妄想話を書き連ねたが、立地はもちろん、このエリアの認知の高い建物、骨董通りへの大きな開口部などなど、物件の魅力は満載の建物。さらには、元々このtokyo workspaceのデザインを手がけてくれたデザイン会社も入居している建物なので、オススメするにはまず間違いない建物と言い切っておきたい。