神宮前オフィス | フルスケルトン大型空間
EDIT
>>LOCATION
神宮前交差点から明治通りを原宿警察署方面へ進むと、程なくしてこの建物は現れる。Galaxy Harajukuに隣接する建物で、路面にはコンビニ、地下にはカラオケや英国風PUBなどが入る、いわゆる商業ビル。良くも悪くも、このエリアの中では群を抜いて看板などが乱雑するそのキャラクター性ある外観は、このエリアに馴染みのある方ならよくご存知の建物ではないだろうか。そんな建物の脇から2階へ続く専有階段を上ると、なかなか個性的な空間が眠っていた。
>>SPACE
商業ビル内にある、200坪弱のワンフロアー。これだけ聞けば単純だが、その内部には一言では言い表せない、なんとも複雑な空間が潜んでいた。平面図を見ればわかる通り、まるで船のような特殊な形をした区画。平面だけではない。よりこの空間を複雑にしているのが、2度の増築によって生じた3つの異なるエリアが重なっているため。室内は躯体を露わにした無骨なスケルトン空間で、カーブするガラス面が特徴の明治通り側が本来の建物の姿となる。次に、中央の無数の柱が乱雑する部分は2期目のエリア。元々1階の吹き抜けとなっていた空間を、後の増築時に塞いだ事で生まれたなかなかカオスなエリア。とは言え、この乱暴にも思える作りが、滅多にお目にかかれない面白い空間を作りだし、今となれば強い好奇心を与える存在となっている。奥の先端部分は一番新しい部分で、天井は部分的に斜面が付いているが、このフロアの中では一番まとまったスペースを確保しているエリアだ。
>>HOW TO USE
正直、この空間にどのような使い方が合うのかまだ掴みきれない面がある。逆に言うと、想像を超えた突発的な使い方を今も模索している空間なのかもしれない。正直、あまりオフィス向きな家賃設定ではないので、どちらにせよ店舗がメインとして使われるだろう。それならば原宿のファッション&カルチャー性を取り入れた、これまでに誰も想像してこなかった新たな使い方を創造してほしい。この一癖も二癖もある空間と、原宿という特殊なカルチャー性がうまく絡み合ったとき、いい意味で愚かさを表す’フォリー’のような面白い空間が生み出されるだろう。
EDITOR’S EYE
建物外観や家賃面、使い勝手など超えなければいけないハードルは多いが、室内には純粋にワクワクする空間が広がっていた。どのようなテナントがハマるのか想像がつきづらい分、その掴みきれない空間に多くの魅力と可能性を感じる。