千駄ヶ谷オフィス | 直接階段有りのB1F コスパ良好な60坪空間
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LOCATION
場所は千駄ヶ谷エリア。大きな文化施設やスポーツ施設が点在し、アパレルやデザイン系のオフィスにも人気のこの街は、普段はのんびり、それでいてイベント時にはぐっと賑やかになる。そんな多様な顔をさらっと持つこの街の温度感が、個人的には結構好きだ。そんな千駄ヶ谷らしい街並みを、駅から歩くこと5分ほど。鳩森八幡神社前の五差路のすぐ目の前に立つこの建物。正直、なんの変哲もない少し年季の入った建物だが、その足元をふと覗き込むと、なんやらとても気になる空間を見つけた。
SPACE
なんだろう、妙に誘うような目でこちらを見てくるこの空間。その視線に誘われるがまま階段を下っていくうちに、なんだか無性にワクワクしている自分がいた。道路から一段下がったB1Fには、正面の吹き抜けと、そこへぐっと迫り出す大きな窓面。そのガラス扉を開けて室内へ入ると、今度はその奥行きにすっと引き込まれた。
そこに広がるのは約60坪のフラットな空間。光が入るのは入口側だけかと思いきや、実は奥側にも大きな窓面とドライエリアがあり、両サイドから入る光がほんのりと室内を照らしている。地下特有の圧迫感はほとんどなく、道路から一段下がっていることで、室内は想像以上に静か。地上から自然と誘い込まれ、さらに室内に入ってからも、そのまま奥へとすっと吸い込まれていく。どうやら、この空間は誘い込み方がとてもうまいらしい。外からはうまく隠れつつも、中ではこれだけ堂々と開いている。そんな外と中のギャップもまた、この空間を居心地よく、面白く感じられた理由だろう。
HOW TO USE
隠れ方もうまいし、覗かれ方もうまい。だったら使い方だって、少しくらい自分勝手でもいいだろう。まずはこのオーソドックスな内装をチェンジ。床材を変え、できれば天井も落として、空間のベースをすっきり整えたい。その上で、この誘い込みのうまさを活かして、ついつい覗きこまれるような場を意識して空間を作るのはどうだろう。ここは見せるのではない、覗かれるのだ。道路から視線の届く吹き抜け側には、あえて仕事場の一番おいしい風景を。大きなテーブルを囲んで話していたり、作品やサンプルが並んでいたり、グリーンの隙間から誰かが黙々と作業していたり。「なんか楽しそう」。全部は見えないけれど、そう思わせるくらいがちょうどいい。奥にはデスクや制作台、ソファを点々と置き、その日の気分で居場所を選ぶ。街からは少し隠れながら、中では好き勝手にのびのびと。わざわざ外へアピールしなくても、楽しそうに働く気配は自然と街へ滲み出ていく。そんな街とのさりげない関係の作りかたもまた、この場所にはよく似合うのではないか。
EDITOR’S EYE
空間としての面白みはもちろんながら、共益費込み賃料坪単価は16,509円(税別)となかなかコスパが良い。今はノーマルオフィス仕様だが、それでも雰囲気の良さは十分あり、これなら手を加えて作り込めば、なかなか良い空間になるだろう。こういう掘り出し物的な空間、個人的にはかなり好きだ。