南青山オフィス・ショップ| 路面スケルトン区画
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LOCATION
表参道交差点から南青山みゆき通りを西麻布方向に進む。通り沿いにある、世界的な建築家たちが手がけたハイブランドのショップから漂う洗練された空気。そこからほんの少し進むだけで、根津美術館を中心とした落着きと情緒を兼ね備えたエリアへ。空は開け、空気は軽く、美術館前の交差点から西麻布方面へ向かって下る「北坂」は石垣や外壁から覗く孟宗竹を取り込み、由緒正しい趣を醸し出している。そんな和の情緒があふれる下り坂の一角に、このモダンな建物が佇んでいた。
SPACE
室内に入ると不思議と温度が少し下がった様に感じた。もちろん、実際温度が下がったわけではない。この空間がもっている性質がそう感じさせたのだろう。
シンとした静かな空気、窓先の情緒ある景観、そして、構造が生み出す端正な直線の美しさ。ミニマルで無駄を削ぎ落とした印象が、コンクリートの質感と相まって、どこか涼し気な緊張感を創り出しているのだろう。天井高は約3m。十分な広がりを持っており、広さによる開放感だけでなく、片側を縁取る様に一段下がって柱がテンポ良く並んでいることで、空間にリズムを生み出している。そして、そこから見える根津美術館の外壁と坂の持つ穏やかな風景が、空間にさりげなく和の趣を添える。その景色は主張しすぎることなく、このスペース本来の美しさを引き立てくれていた。立地、空間が絡み合い、そこから生み出す独特な清涼感を感じさせてくれる魅力的な空間だった。
HOW TO USE
これだけ前面の景色からの影響を色濃く受ける場所だからこそ、空間の持つ風合いをそのまま残すことが、この空間を使う上での最善ではないだろうか。なるべく余計な壁や什器で外からの見た目も中からの眺望も遮らず、いいかたちで働く人が空間から影響を受けてもらいたいと感じた。例えば、和服は着ていることを意識するからこそ背筋が伸びるのであって、着るだけで背筋が伸びるわけではない。この空間も同様なのはそこにいると意識できるシンプルさがあることで、そのクリアで清々しい雰囲気をまとっていられるのではないのだろうか。そう考えれば、余計な味付けはせず、この空間とそこで働く人が「凛として」いられる様、ごくごくシンプルに使っていただくことをおすすめしたい。
EDITOR’S EYE
駅からの距離がある分、目的性を必要とするエリアだが、根津美術館をはじめブルーノートのように、行ったことがないから行ってみようという場所になれば理想的ではないだろうか。
建物2Fには京都の老舗茶屋が運営する喫茶があり、たまの贅沢として、コーヒーではなく抹茶で一息つくのも、この立地ならではの楽しみ方の一つかもしれない。