西麻布オフィス・店舗 | 最上階3F-4Fメゾネット、元スタジオのスケルトン空間
EDIT
LOCATION
六本木通りの高樹町交差点から、日本赤十字社医療センターへと続く通り沿い。車2台がどうにかすれ違えるほどの幅狭な道には、飲食店や昔ながらの商店が点在し、気取りすぎない街並みが心地よく続いている。そんな通りを日赤方向へ少し進み、1本目を左へ折れてすぐ。落ち着いた住宅街へと続く路地沿いに現れる建物の中に、この掘り出し物感のある空間はひっそりと身を潜めていた。
SPACE
荒々しいスケルトンの3Fと、白く清楚な雰囲気の4F。そんな相反する可笑しな組み合わせが絶妙に面白い、最上階のメゾネット空間だ。
以前はレンタルスタジオとして使われていたが、現在はその造作の多くを剥ぎ取った状態。正直、そこまで壊すことないのに。。と思うぐらい。特に3Fは荒くれた姿をしているが、4方向の窓から入る光がその荒さをうまく中和していて、イカつい顔に反して雰囲気はなかなか優しい。一方で、室内階段を上がった4Fは、天井高のあるホワイトキューブ。こちらも光がよく入り、窓の先には六本木ヒルズ方面の眺望が抜けていくなど、どこか特別感も漂っている。
ラフな素材感と、明るく抜ける開放感。一見ちぐはぐにも思えるその組み合わせが、不思議とここではうまく噛み合い、この空間ならではの面白味をつくっていた。
HOW TO USE
見てわかるように、このまますぐに使えるような親切な空間ではない。特に3Fはだいぶ荒れていて、入居工事はしっかりと必要になるし、かなり手もかかるはず。それでもこの空間がかなり“アリ”だと感じているのは、坪12,000円(税別)台!という抑えめな賃料設定と、上下で異なる2つの表情を楽しめる素地の良さ。そしてオフィスに加え、飲食や店舗、スタジオなども相談可能という利用用途の懐の広さがあるからだ。上下で用途を分けるのもいいが、この空間なら、同じ用途の中で世界観ごと切り替えてみるのも面白い。例えば3Fは無骨で荒さのある、少しピリッとした空間に。4Fは、ふわっと空に上がったような、やわらかな雰囲気に。そんな振り幅のある使い方も、この空間ならよく似合う気がする。
そもそも西麻布という街自体、少しゴチャついた賑わいと、落ち着いた住宅街の空気が隣り合う場所。そういう意味でも、このラフさと明るさが対比するメゾネットは、どこかこの街らしいバランス感を持っているように感じる。正直、扱いは簡単ではないと思う。ただ、うまく付き合いながら転がしていければ、かなり面白い場所に化けてくれる期待値は十分に感じている。
EDITOR’S EYE
どのような使い方にせよ、かなり気合いを入れて内装を作り込む必要があるが、それでも十分回収できてしまいそうな、コスパの高さはやはり魅力的だ。個人的にはオフィスとして、3Fはこの荒々しさをそのまま残して無骨な仕上げに。一方4Fは、健やかで安心感ある空間に。そうやって2つの印象をガラッと変えて、ギャップを楽しみたい。