千駄ヶ谷店舗・オフィス | 元飲食店居抜きの1棟貸し建物
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LOCATION
最寄りとなる北参道駅からは徒歩3分ほど。頭上には首都高が走り、代々木・新宿エリアとのちょうど境目のような空気が混じり合う北参道の交差点。そこから千駄ヶ谷駅方向へと一本路地を入った先に、この建物はある。北参道と聞くと、アパレルやデザイン会社が集まるカジュアルな街を思い浮かべるが、このあたりはどこかまだ肩の力が抜けきらない、昔ながらのオフィスビルや住宅が混在するエリア。そんな少しお堅さも残る環境の中に、ラフな表情をしたこの建物がぽつりと紛れ込んでいた。
SPACE
周囲の雰囲気に飲み込まれることなく、どこか自由でカジュアル、そして古さを活かしたレトロな顔立ち。そんないい面構えをしたこの建物に、一瞬で心を掴まれてしまった。
以前は飲食店として使われていた1棟建物。1F〜3Fまで、現在もその内装が居抜きのまま残されている。柄の壁紙やヨーロピアン調の手摺、キッチンなど、要素単体で見ると少しクセの強いもの同士がぶつかり合っているが、不思議と全体としてはうまくまとまっている。その絶妙なバランスで成り立っている上に、室内の空気感は妙に落ち着くところもまた面白い。ちなみに撮影時はあいにくの天気で踏み込めなかったが、3Fの上には屋上も付いていて、晴れた日には射し込む光によって室内の印象もまた違った表情を見せてくれそうだ。築年数はそれなりに重ねているものの、その古い味わいをうまく活かした内装や、その時間の積み重ねもまたしっかりと魅力に繋がっている。むしろ今が絶頂ぐらいのいい脂がのっているような建物だった。
HOW TO USE
歳も歳ということもあり、今後の建て替えを見据えて、今回は5年間限定での募集となる。ただその分、最後までいれば原状回復も不要だし、賃料も坪単価2万円(税別)以下と安く、1棟貸しに加えた副産物も多いところが魅力だ。
今回、その建物のテキストを書くにあたり、最初は飲食店になぞって「ラストオーダー」と書こうとしていたが、よく考えると少し違う。これは終わりではなく、むしろアンコールの時間。終わりが決まっているからこそ、一番自由に、一番思い切った使い方ができるタイミングではないか。これまでの飲食店の延長として引き継ぐのもいいし、ショップやスタジオ、オフィスなど自由に、時には実験的に様々な要素を混ぜてみるのも面白い。いや、むしろフロアごとに役割を分けながら、1棟ならではの使い方を組み立てていくことこそ醍醐味と言える。ただし、その自由はあくまで“節度ある遊び方”で。
この建物の50年近い歴史の中で、きっと今この5年が一番の盛り上る時期かもしれない。この建物から離れるとき、良い建物だったね、と自然に言い合えるような、そんな素敵な最後に向かって、本気で盛り上がっていこうじゃないか。
EDITOR’S EYE
過去を遡ると、10年ほど前までは薬局として使われていて、どこにでもある古い建物だったが、以前の飲食店が今の姿にガラッと変貌させ、久々に見たその姿はとても魅力的になっていた。今回はいい感じに脂ものってまさに絶頂期とも言えるこの1棟を、たとえ5年間という限定的であれ、引き継いで使えるのは面白い。この5年を短くも人生の記憶に深く残すような楽しい時間を過ごしてもらえたらこの建物も本望だろう。