神宮前店舗・オフィス | 路地裏の居抜きメゾネット空間テラス付き
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LOCATION
この建物があるのは、神宮前5丁目の通称ネッコ坂から一本外れたあたり。表参道の「TUMI」のすぐ裏手と言えばイメージしやすいだろうか。賑わうキャットストリートや表参道もすぐそこという距離感でありながら、少し奥へ入ると人通りはぐっと減り、静かな裏通りへと切り替わる。ふらりと立ち寄るというよりも、何か目的を持って踏み入れていくような場所だろう。そんな環境の中に、この個性的な表情の建物が、思いのほかひっそりと構えていた。
SPACE
ヨーロッパの煉瓦造りを思わせるような、重厚で雰囲気のある建物。ご紹介はそのB1F〜B2Fにあたる空間だが、その作りは少々特殊。建物正面と裏側の、2つの道へと繋がる細い抜け道のようなアプローチの中腹に位置するこの空間。そこはまるで路地の“よどみ”のような場所で、海外風のレンガタイル床やガラスの折れ戸の開放的な作りも相まって、まるでどこか海外のパティオ(中庭)に飛び込んでしまったような感覚だ。
内部は、中庭に面して横へ広がるB1Fと、左右に独立した2部屋のあるB2Fという構成。B1Fに関して言えば、地下という感覚はほぼなく、折れ戸を開け放てば、内と外が自然とつながり、風も心地よく抜けていく気持ちよさがある。ちなみに以前はこの世界観を活かした飲食店が入っていたという。現在はスケルトンとも居抜きとも言い切れない絶妙な状態だが、床タイルや階段の洋風なディテールはそのまま残されている。その不完全さも含めて、ここにしかない独特の空気と、にじみ出る色気をしっかりと感じられる空間だ。
HOW TO USE
奥まった立地の、さらに路地に入り込むようなアプローチの先に現れるこの空間。神宮前にいながら、どこか異世界に紛れ込んでしまったような独特の空気をまとっている。路地を進んだ先で、ふと面白いショップに出会ったときのあの高揚感。ここでは、そんな“発見される側”の仕掛けもうまく作れると面白い。ショップやギャラリーを軸に、テラスと一体で開放し、路地の延長として人を引き込みながら、自然と立ち止まれる場をつくっていきたい。パティオには植物やベンチをさりげなく置き、内と外の境界もあえて曖昧に。この場所ならではの空気感を、そのまま活かすように。手前でしっかりと“顔”をつくりつつ、奥には制作やオフィス機能を静かに忍ばせ、さらに下階はストックやバックヤードとして整理する。でもすべてを整えすぎず、この空間に流れるゆるやかなリズムに合わせていくくらいがちょうどいいかもしれない。気づけば、自分の時間すらこの場所に引き込まれていくような。そんな不思議な引力を感じさせるような空間が作れたら面白いだろう。
EDITOR’S EYE
現状のまま引き渡しになるので、内装は1から作り込みが必要となる。しかし、床のタイル変更や天井の一部スケルトン化なども不可など、意外と制限が多いとのこと。なのでオリジナルの世界観を作るより、今の雰囲気をベースにうまく整え、溶け込んだ世界観を演出するような使い方がよさそうだ。