南青山ショップ|天井高4mスケルトン空間
EDIT
LOCATION
青山通りから外苑西通りを西麻布方面へ。比較的車通りも多い通りではあるものの、なだらかに下っていく緩めの坂やその先に広がる空の印象もあって、意外な穏やかさが感じられる。そんな外苑西通りの歩道から、階段で一本裏へと進んだ路地は、さらに落ち着く印象で、個人的にはかなり好きな場所。そんな中に、ランチには行列が絶えないおばんざい屋さんや、こだわりを貫くとんかつ屋さんなど、人気の飲食店が多く、ちょっとした探索も楽しめるだろう。その路地の一画に、周辺の古い建物からはかなりスタイリッシュな印象に感じる、ガラス張りの外観のこの建物を見つけた。
SPACE
石畳の敷地にシンボルツリーが作り出す雰囲気、そして路地からはちょっと下がった位置に立ち、どこか貫禄すら感じられる建物。1F部分は、以前徹底的にこだわったオーナーの美容室の居抜きとして募集していたが、今回その内装をリセットし、B1Fと併せてスケルトンで再スタート。
1Fの室内に入ると、まずそのスケール感にグッと心を掴まれた。天井高4m、約60坪の面積の空間がスコーンと奥へ伸びていく気持ち良さ。配線や配管は区画の奥側にまとめ手前はスッキリさせていたり、ただスケルトンにしただけでなく、床はモルタルで均して、あとは仕上げ待ちという状態まで整えられている。素地の良いコンクリートの壁や天井とも遜色ない様なレベルになっていることからも、オーナーの美意識の高さを感じられる空間だ。B1Fも1Fと同様に天井高は4mほど。道路からの専用動線と広めのテラススペースによって、世界観をしっかり表現しやすいだろう。それぞれのフロアのベースのポテンシャルの高さを目の当たりにし、この建物の貫禄の理由に触れた様な気がした。
HOW TO USE
この物件を利用できる人はおそらく限られてしまうのではないだろうか。敷地や外観、そして空間に至るまでスキがなく、それ故に外苑西通りの裏路地という立地でありながら、なかなかの賃料設定。誰でもウェルカムというより、この空間に見合う、この空間をしっかり活かしてくれる、そんな入居者を吟味しているかのようだった。
言わば、選ばれしものの空間とも言える場所。それであれば、来客も働くスタッフも、じっくり時間を過ごせる様な使い方をイメージしてみてほしい。せかせかと追われて働く様では、この空間には似つかわしくない。店舗なら、しっかり説明を受け、納得して決断する家具やウェディングドレスのショールームの様な場所。高級な商材を扱っていても、緊張してしまうようなピリッとした空気感ではなく、あくまで居心地の良さや過ごしやすさに振り切って、空間を作り込む。ここで働くスタッフも、日常的に居心地の良さを感じながら過ごすことで、余裕が生まれ、穏やかに立ち振る舞うことができるかも。そんな姿をこの裏路地でシレッと披露する、それが強者たる余裕なのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
この空間が裏通りにあるからこそ、そんな余裕が生まれているのは間違いない。表通りでは、人も車も往来が多く、自然とせかせかとしてしまう。一歩引いて、どーんと構える。それくらい普段から余裕を持ちたいものだと思った(自分に言い聞かせた)。