代々木オフィス・住居 | リノベーション済み住居仕様の空間、広めのルーフテラス付き
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LOCATION
代々木駅を背にして、参宮橋方向へと道沿いを進む。駅周辺は飲食店や昔ながらの商店なども立ち並ぶ、少々雑多なエリア。しかしその賑やかさも数分歩けば徐々に落ち着いていき、のどかな通りへと印象は変わっていく。春先からは街路樹も新緑をつけ始め、初夏にはいい木陰を道端に落とすこの通りを進むこと8分ほど。小田急線の下をくぐり、もう少しだけ進むと、右手に赤いレンガ調の大型マンションが見えてきた。
SPACE
1Fには中華料理屋が入り、エントランスまわりも生活感が残る、少し哀愁漂うマンション。しかし5Fにあるこの部屋の扉を開けた瞬間、その印象をいい意味で裏切られた。
現れたのは、イマドキをしっかり捉えてリニューアルされた良空間。間取りは2LDKの住居仕様で、築年数は約50年といいお歳。しかしその年齢を感じさせないぐらい室内はよく作り込まれていて、デザイン性と機能性、そして雰囲気の良さまでも備え保った空間だ。
特に面白いのが、部屋ごとに異なる表情を持たせているところ。コンクリートの壁・天井が印象的なクールなLDKや静けさのある和室、白を基調とした柔らかな寝室。また、もう一つの部屋とも言えそうな、ウッドデッキが敷かれたテラス空間。日当たりや風通しも良く、内と外の境界がゆるやかに溶け合っているところがいい。この一つの部屋の中に、まるで4つの異なる場所を詰め込んだような、多彩な表情を持った空間だった。
HOW TO USE
住居仕様でありながら、実はオフィスとしての利用がこの空間は可能。無機質に整えられたオフィスビルとは異なり、過ごす場所そのものに気分の起伏が生まれるところが、この部屋をオフィスとする時の面白さだろう。例えばLDKにはワークテーブルを据えてメインの作業スペースにしつつ、和室は静かに思考を整理するための整いの場に。一方、寝室は篭って集中したい時や、会議用の個室として。そしてテラスはリフレッシュや軽い打ち合わせの場などカジュアルに使うイメージ。そういった空間ごと使い方や特性を意識しつつ家具を選び、それぞれの世界観をきっちり際立たせられれば、4つのスペースが気持ちの切り替えの “スイッチ”としてうまく作用する使い方も実現できそうだ。
集中する時間、発想を広げる時間、人と対話する時間、リラックスする時間。場所を移動するだけでリズムが切り替わっていく感覚は、この空間ならではのもの。決して広さで魅せる空間ではないが、そこで過ごす時間のバリエーションは、想像以上に豊かに感じられるのはないだろうか。
EDITOR’S EYE
水回りがすっきりまとめられているためか、住居仕様の空間ではあるものの、いわゆる住居感はそれほど強くない印象だったので、オフィスなどでも十分使いやすい空間だと思う。2方向にあるバルコニーも結構広いので、ここに多くの植物や家具などを置いて、より気持ちいい環境を作り込んでもいいんじゃないだろうか。