六本木オフィス | 最上階大型バルコニー付き空間
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LOCATION
この建物があるのは、麻布台にある飯倉片町交差点付近。六本木駅から繁華街の喧騒を抜け、道を渡れば麻布台ヒルズエリアへと切り替わる汽水域のようなポジション。空を見上げれば首都高や何本もの超高層ビルが空に突き抜ける姿がとても印象的だ。そんなダイナミックな環境の中に立つ、この時代を跨いできたような少々レトロなマンション。年々再開発が進むこの街で、どこか時間の流れだけが少し緩やかに感じられる存在だ。
SPACE
最上階11Fにあるこの空間。主役は、なんと言っても外に広がるこの大きなテラスだろう。ひと部屋分はありそうなサイズ感で、外壁のテクスチャーと相まって愛嬌のあるいい表情をしている。このテラスは、視界が遠くまで抜けるというタイプではない。むしろ目の前のマンションや周囲にも高いビルが多く、周囲を囲まれた天空の中庭にいるような感覚。爽快、というよりは、都心を感じる充足感という感じだろうか。
また、室内ものんびりと落ち着くタイプで雰囲気は良好。全体的に白を基調とした2LDKの間取りで、住居感は否めないものの、各スペースがゆったりとした作りのため、オフィスとしての使い勝手も悪くない。最上階ゆえの静けさと、午後に射し込む光。内と外、それぞれの温度感がバランスよく保たれて繋がるような空間だ。
HOW TO USE
この建物が建てられた当時、きっとここからの景色は今とはまったく違っていたはずだ。周囲に高い建物はまだ少なく、六本木を見渡す開放的な眺望が広がり、この最上階は誰もが羨むような特等席だったのだろう。しかし時代は変わり、街は上へと伸びすぎた。かつてのような抜け感は薄れたものの、代わりに、天空にいてこの内庭のように囲まれる安心感がこの場所の魅力。景色を眺めるというより、都市にやさしく包まれているような感覚だ。
ここでの働き方は、自然とテラスを中心に回り始める。PCを持ち出してラフに作業をしたり、ランチやコーヒーブレイクを外へ移したり。それだけで日常の空気が少し軽くなる。夕方には陽がやわらぎ、夜にはランタンや間接照明を置いて一日の終わりに乾杯を。程よく囲われた空間だからこそ、外なのに落ち着く部屋のようで、自然と会話も自由に、そして深くなっていく。周囲には最新のオフィスが並ぶけれど、この場所は少し違う。半世紀近い時間を重ねながら残された最上階の一席。派手さはないが、その特別さはやはり薄れない。かつて特等席だった場所は、形を変えながら、いまも尚、特等席のままである。
EDITOR’S EYE
こんなテラス付きのオフィスが素直にうらやましく思えた。植物やテーブルなどを並べ、天気のいい日にはここで仕事。そんな日々がここでは当たり前で、そんな働き方、過ごし方にとても憧れてしまうような空間だった。