神宮前オフィス|南北に視線が抜ける気持ちの良い空間
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LOCATION
外苑前駅からキラー通りを千駄ヶ谷方向へ。南青山3丁目の交差点を過ぎても、通りの交通量は途切れず、街はずっと賑やかだ。ルイスポールセンやACTUS、FUGAなど、インテリアやライフスタイル寄りの店が点在していて、ただ歩いているだけでも視線が忙しい。
今回ご紹介するのは、そんなキラー通り沿いに建つタイル張りのオフィスビル。まい泉通りと合流する少し手前、1FにCallawayが入っているビル、と聞けば思い浮かぶ人も多いはず。通りの中で、ちゃんと"顔"を持っている建物だ。
SPACE
最上階6Fのワンフロア。まず、その響きだけでちょっと気分がいい。エレベーターを降りて中に入ると、視界がすっと開ける。床の仕様を変えて南北に分かれた2つの空間、それぞれの窓から自然と視線が抜ける構成だ。80坪というサイズ感だが、体感はそれ以上。広さをつくっているのは、単純な面積ではなく、この抜けなのだろう。
内装はスタンダードなオフィス仕様がベース。それでも、床の色味や窓から入る柔らかい日差しも相まって、全体としては意外なほど穏やかだ。無機質になりがちなオフィス空間とは、一線を引いている。
1966年築と聞くと身構えるかもしれないが、1994年、2011年と大規模リニューアルを重ねてきた建物で、共用部を含めてきちんと手が入っている。少しレトロ、でもきちんと清潔。その“無理をしていない感じ”が、この空間の居心地につながっているように思う。派手さはないが、長く付き合えそうな空間だった。
HOW TO USE
正直、「ポテンシャルが高い」というありきたりな言葉はあまり使いたくない。でも、やっぱりここではその言葉が浮かんでしまう。
天井高は約2.3m。ただ、窓が大きく数も多いため、圧迫感はほとんど感じない。視線が外へ抜けることで、数字以上に軽やかだ。天井を抜いたら、かなり気持ちいいだろうな、という想像も無理なくできる。現状フロアは壁で4:6ほどに区切られているが、思い切って全部つなげてしまうのもアリだろう。キラー通りの光と街の気配をどう室内に引き込むか。その設計を考える時間こそ、この物件の一番の贅沢かもしれない。南北どちらに執務スペースを持ってくるべきか?ショールーム的な要素をどう混ぜる?考え始めると、選択肢は意外と多い。
このエリアで80坪、最上階、眺望と日当たり付き。キラー通りでキラリと光るこの素材、放っておくのはやっぱり勿体ないと感じた。
EDITOR’S EYE
エレベーターはもちろんあるが、エントランスに数段の階段があるため、台車の出し入れは少し気を遣う。場所柄アパレル企業との相性は良いと思うのだが、その点はご注意いただきたい。