神宮前オフィス | 有名建築家設計ビル 居抜き空間
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LOCATION
表参道と明治通りがクロスする、明治神宮前の交差点。ラフォーレやオモカド、そして2024年には新たにハラカドも加わった事で、表参道界隈でも今最もホットで日々多くの人で賑わう場所だ。この建物があるのは、そんな賑わう交差点から、山手線側に向かって挟まれるように位置する神宮前6丁目の一画。大通りとは対照的な穏やかな住宅街を上って行くと、高台となった場所にこの建物は立っていた。
SPACE
著名な設計事務所である、レーモンド事務所が設計を担当したというこの建物。シンプルな美しさと風格を兼ね備えた外観は、街並みにも自然と馴染みながら、どこか凛とした佇まいがある。
この空間があるのは、アールのガラス面が迫り出した2F部分。かつてブライダルサロンとして使われていたという空間で、この印象的な白い空間はその当時の名残りだという。元々は2部屋に分かれていたものを、今は壁だけを取り払って1部屋に。それによって2つの内装が急に切り替わるチグハグな状態ではあるが、天井高は3M超えと高く、窓も多くて、光も十分に入るという素地の良さ。アール窓の先には街路樹の緑が程よく映り込み、のんびりとした雰囲気が室内には漂う。可笑しな内装の割に、元々備える品の良さというか、大人っぽい空気感がこの空間にはあって、気づくと自然と時間が過ぎているような、居心地の良さがこの空間にはあった。
HOW TO USE
表参道・原宿エリアに集う“大人カジュアル”な雰囲気。この空間もまた、かつてはそんな街に似合う“らしさ”を纏っていた。しかし、今はまとまりなく継ぎ足されてきた痕跡が積み重なり、なにか方向性を見失ったような寂しさがある。そんな今の姿がとても勿体ない。それなら一層のこと、一度ゼロにリセットしてはどうだろう?床・天井の装飾を剥ぎ取り、まっさらなスケルトンの箱に。そのざっくりした姿だけでも、この3Mある天井高のスケール感ある空間なら十分カッコいいだろうし、その空間をベースに、新しいカラーを付け加えるのももちろんアリ。一回りセットすることで、この空間の可能性を広げる事ができるだろう。建物のデザイン性、空間のスケール感、漂う空気の品の良さ。そのどれもが、この街にふさわしい“らしさ”をそもそも携えている。あとはそれを、どう引き出すか。どう整え、どうプロデュースしていくか。表参道という特別な街に馴染む、新しい答えを空間に見つけ出すように。それが、この場所に今求められている大きな仕事ではないだろうか?
EDITOR’S EYE
ゼロに戻すと言っても、解体も大変そうだし、、と思った方に朗報が。実はオーナーさん側でその部分をうまくサポートしてくれる可能性があるようで、うまく協働してこの空間をプロデュースし直すのもまた面白くないだろうか。