渋谷オフィス・店舗 | 宮益坂上の交差点角地 新築ビル
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LOCATION
忙しない渋谷駅の喧騒を背にして、宮益坂を上がっていく。人通りも多く、通り沿いには飲食店が多く立ち並び、濃い木々の傘に覆われて、少し鬱蒼とした雰囲気のあるこの通り。そんな坂道を進むこと5分ほど。街路樹がなくなり、空がパッと開ける宮益坂上の交差点。今後大きな再開発が予定されているこの交差点の一角に、先んじて生まれ変わったこのビルが現れた。
SPACE
2025年7月、宮益坂上に誕生するこの新築ビル。角地のナイスなポジションや、外壁に施されたミラーによって、刻一刻と変化する街を映しながらうまく街に溶け込もうとしている姿が面白い建物だ。
もちろん面白いのはそれだけではない。室内に足を踏み入れると、そこには最大天井高3.7Mのスケール感ある空間が現れる。デフォルトがスケルトン仕様という、今時なデザインオフィス仕様。大きな窓先には渋谷の街並み、さらに上層階はより視線が抜けて、ずっと先に立ち並ぶ六本木や麻布エリアのビル群、東京タワーなどもが視界に入ってくる。その眺望を縁取るように設けられた2方向のルーフテラス。そこもまた、室内と連続するもう一つのフィールドとして、この空間の大きな魅力のひとつだろう。このままでもある程度整ったカッコよさがありながら、手を加える余地もしっかり残されている。そんな余裕感ある姿が、とても魅力的に感じさせてくれた。
HOW TO USE
まだ少し先の話ではあるが、今後再開発によって大きく街並みが変わる予定の宮益坂上交差点付近。そこに先陣を切って誕生したこの建物は、これから始まる大きな流れのスタートの合図になっているのかもしれない。
室内は程よく未完成。そのままでも雰囲気はあるが、例えば照明を変え、床を仕上げるだけでもバッチっと決まりそうだ。大きな窓辺は明るく開放的なワークスペースに、奥側は集中や作業に適した静かなゾーンに。エリアごとの使い分けでリズムをつけることで、過ごし方にも自然とメリハリが生まれるだろう。また、オフィス、ギャラリー、店舗やショールームと、多様なスタイルがビル内で混ざり合っていく様子もまた面白い。ここをただの働く場に留めておくのは少しもったいない。人が集う場であり、そして発信する拠点にもなりうると思うし、この立地だからこそ、街に開き、街と繋がるような意識で使ってみてもいいのではないか。ここに人が集まり、言葉が交わされ、なにかまた新しいことが始まる。このエリアの変化に先駆けて、ここでスタイルを築き上げる。そしていつか、周囲に集まり始める新参者たちに、ちょっとだけ先輩風を吹かせる未来も悪くないんじゃないか?
EDITOR’S EYE
新築とは言え、なかなか強気な賃料だが、この交差点のポジションや空間の開放感、その眺望。そして今後大きく街が移り変わるこの場所に、先んじて拠点を構えられると考えれば、うまく飲み込めるのでないか。表面のミラーが映し出す街並みが常に変化し、これが夜はどうなるのか。天気、季節によってどういう色合いの変化があるかなど、街に対しても変化をもたらす仕掛けが個人的には結構好きだ。