渋谷オフィス・店舗 | 天井高3.4M 中層階スケルトン空間
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LOCATION
渋谷駅を背にして、宮益坂を上がっていく。道中には路面に続く飲食店の看板や、街路樹の濃い緑の傘も相まって、少し雑多な印象は受けつつも、246と合流する宮益坂の交差点にさしかかると、急に空がひらけて景色が変わる。そんな切り替わりが気持ちよく、なんとなく通りかかるのが好きな道の1つだ。この物件は、そのまま青山通りを道なりに少し進んだところ。最近ではカフェなども増え、人通りも多いこの通りだが、そんな中でも今一番hotなのは「I’m donut ? 渋谷店」。いつも行列ができる人気店だが、この空間はそのショップの上に身を潜めていた。
SPACE
募集はこの2F〜5Fまで。以前は語学学校が一括して使っていたという区画で、現在は2Fがスケルトン天井の事務所仕様。3F〜5Fは内装を剥ぎ取ったままの状態だが、個人的にはそのスケルトンの姿がかなりタイプだった。いい感じにノリの跡が加わったスケルトン素地の表情と、2方向に開けられた大きな窓面。ゴツゴツとした表情が、一見重たくも見えるかもしれないが、どのフロアも天井高が3.4Mほどとかなり高いためか、実際の室内はかなり開放的で、妙な軽やかさすらある。厚いコンクリートに守られているため、車通りの多い246の音も室内にいるとほぼ気にならない。また、時間帯によっては直接光も射し込んできて、コンクリート壁を明るく照らす。ちなみに2F〜5Fまで、トイレなどの水回りは部屋の外に備わっているのもポイントだ。素地の魅力が際立つ、今はまだ余白の多い箱だが、確かな存在感と雰囲気の良さをすでにまとった空間だった。
HOW TO USE
これまで長く学校だったこの空間にとって、今回は新規一転、新しいスタートのタイミング。いったん0に戻り、何者でもない自分を見つめ直す。そんな節目の時期に、どんな空間と出会うかは、思っている以上に大切だ。
2Fの整った区画にサクッと入り込むのもいいが、3F〜5Fのスケルトン空間を、自分好みにガッツリ作り込むという選択も面白い。しかも、エアコンなどの設備はオーナー側で設置相談が可能とのこと。それなら、一気に現実的な選択肢になるのではないか。このさっぱりとした素地空間に、どんなideaを組み込むか。例えば、このラフな素材感を活かしてクールに仕上げるもよし、色や家具で派手に世界観を彩るもよし。オフィスやスタジオはもちろん、インフラが整えばサロン的な用途も視野に入る。この天井高と余白があるからこそできる自由な使い方が、きっとここにはある。
1Fには、今街で話題のホットなコンテンツ。ならばその上階も、1Fに負けないぞ!ぐらいの熱い意気込みで、あなたならどんな自分らしい姿、未来を描いてみる?
EDITOR’S EYE
最初は2Fのオフィス仕様の部屋を撮影に行ったのに、それ以外のスケルトンの空間に強く惹かれてしまい、メインを切り替えたほど。今のままでもいい雰囲気と色気を備えているので、この空間の表情を極力このまま活かしつつ、シンプルにまとめるだけでも十分すぎるカッコいい空間になるだろう。