南青山オフィス・店舗｜骨董通り入り口 スタバ上のスケルトン空間

LOCATION
青山エリアを代表する通りの1つ、骨董通り。かつては路面電車が走り、道沿いには骨董品店が軒を連ねていた事がこの名前の由来とされる。現在はロードサイドにアパレルショップやカフェなどが多く点在し、日々車通りも多くて、常に賑やかな通りという印象だ。この空間があるのは、青山通りから骨董通りへ踏み入れてすぐ右手。1Fのスターバックスの脇にある階段を上がった2Fに、今はまだ何者でもないまっさらなこの空間が現れた。

SPACE
以前はレストランやタコス屋が入っていたこの2F区画。現在はその当時の面影を残さず、まっさらなフルスケルトンにリセットされているのだが、その素の表情が妙に雰囲気が良い。全体的に白っぽく塗装されたスケルトン。印象も明るいし、ところどころ見せるノリの跡や素地の荒々しい表情などもgood。北向きなので直接光が射し込むわけではないが、大きなアールのガラス面によってぼんやりと明るく、窓先に望む骨董通りの動きある風景も良い要素となっている。また、外の音もある程度は感じるものの、これはこれでBGM程度にうまく割り切っていただけたら良いのではないだろうか。素のスッピン姿が魅力的なため、たとえここから内装をメイクしたとしても、きっといい空間になることは間違いなさそう。そんな期待値高めな、色気のある空間だった。

HOW TO USE
空調もトイレも照明もない。あるのは自動扉とエレベーターだけのスケルトン状態。加えて決して可愛いとは言えない賃料を踏まえると、現実的にはショップがメイン、その一部にオフィスを兼用するような使い方が合うだろうか。これまでは装飾という厚化粧で隠されてきたこの空間だが、実はその素顔もとても魅力的。ここはあえて“ナチュラルメイク”程度で、この空間の素の雰囲気を最大限活かす手はどうだろう？床はモルタルを敷き直し、壁や天井は塗装を整え、水回りや照明、個室なども、最小限に整える程度。言うなら綺麗なスケルトンに整える感じ。その空間にサラッと家具や商品を並べるだけでも、すごく雰囲気ある空間が彩れると思う。もちろんショップのブランドイメージもあるので、万人受けの提案ではないだろう。しかし、元々骨董品で栄えたこの通りだからこそ、本来の素材の表情、時間と共に刻まれた深みなどを好きになり、それを隠さずメンテナンスして使い続けるのも、なんかこの通りらしくていいのではないだろうか。この空間の本来の姿であるスケルトンの表情をそのままに、最大限に雰囲気ある空間へ持ち上げる。そんなうまい使い方ができる良きパートナーを求めたい。

正面階段の他に、室内奥にはエレベーターもある。正面側をショップ、奥をオフィススペース、などのように割り切りもしやすい作りが結構使いやすそうだ。2Fとは言え、骨董通り入り口で、スタバの上ともなれば視認性も高いところも大きなポイントだろう。ちなみに写真に写る業務用冷蔵庫は今後撤去予定なので安心してほしい。