六本木オフィス | 最上階ワンフロア 眺望良好なリノベ済み空間
EDIT
LOCATION
“六本木”。と聞くと、かつては繁華街やエンターテイメントの街としてのイメージが強かったが、近年はオフィス街や商業エリアとしての顔がだいぶ上回ってきているだろう。六本木ヒルズやミッドタウンなどを中心に大型のオフィスビルが軒並み誕生し、海外の人も増え、街並みや道ゆく人の雰囲気も変わり、年々進化しているこの街。そんな六本木の変わりゆく姿が面白い。この建物があるのは、そんな六本木駅より3分ほどの中心地。大通りから外れた路地沿いに、50年以上もの間、この街の変化を見守るように立っていた。
SPACE
50年という、年相応の年季を感じるオールドマンション。地上階にはいくつか飲食店が入り、マンションのエントランスも昔から姿を残すなど、だいぶ哀愁感のある建物。
この空間があるのはその建物の最上階となる7F。外観で少しソワソワした気持ちも、室内に入るとすぐに安心に変わった。空間は、2024年4月にリニューアルされた、白く明るいデザインテイスト。元々は2部屋だったものを1つにしたようで、L字に2つのボリュームが配置された独特の間取りや、2つの入り口扉が付いているなど、なかなか変わった作りの空間だ。何よりこの空間の良さは、4方向に連続する窓。晴れた日には光もよく入るし、風もよく抜けていく。さらに周囲にその視線を遮るような高い建物がないため、六本木ヒルズやミッドタウン、国立美術館やビルの隙間から東京タワーもチラリと覗く。そんな六本木らしい風景がどこからも眺められるこの空間に出会った時、まるで良い穴場を見つけてしまったような、ちょっと得した気分が込み上げてきた。
HOW TO USE
建てられた当時も、きっと窓先には気持ちよく抜ける特別な風景が広がっていたはず。それから半世紀。街並みや空も大きく変わりつつも、今もなお六本木らしいナイスな景色を備えたこの空間のポジションに思わず惹かれてしまうのは自分だけではないはず。
そんな空間では、やはりこの外を眺めるように働いてみるのがいいだろう。窓際に這うようにオリジナルのカウンターデスクを備え付け、窓際族のように窓の外を向いて働く感じだろうか。さらに言うと、フリーアドレスでもいいかも。好きな時に、好きな場所で、好きな風景を眺めながら、好きに働く時間を過ごす。そんな少々緩めな働き方がこの空間にはちょうど良くないだろうか。いわゆる六本木のギラギラ働き方でも、ちょっと夜の匂いがする感じではない。明るく、シンプルに、のんびりと。でも50年もの長き間、ずっとこの街を見続けてきた歴史あるこの空間で、これからもまた六本木の風景を眺めながら、マイペースに、じっくりと働く時間を楽しんでみてはどうだろうか。
EDITOR’S EYE
間取りや柱の位置など、なかなか難易度の高い間取りなので、壁際にデスクを配置するレイアウトがこの空間ではやはり自然に感じる。2つの入り口があるので、スタッフ用&来客用。またはプロジェクト毎に明確にスペースを分けて使うなど、なにかと使い勝手がいいのかもしれない。六本木の中心で、最上階、眺望や光も良好ないい空間だった。