四谷オフィス|トップライトあり 地下10m空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りの四谷三丁目駅からは徒歩9分ほど。車通りの忙しない新宿通りから一本入り、三栄通りと呼ばれる通り沿いにこの物件はある。ここは細い一方通行で両側には飲食店やスーパーなどが並び、さらには、緑生い茂る公園や街路樹がテンポよく植えられた通り。そんな穏やかな空気が流れる通りに、オーソドックスな見た目をしたこの建物が立っていた。
>>SPACE
今回の募集は地下10mに潜むB2F。扉を開くと地下でありながら、室内がうっすらと明るいことにまず驚かされる。それもそのはず、室内の一カ所にトップライトが設けられていた。そこからの光は、雲の切れ間から差す陽の光のように、空間の一点を照らし、神秘的であり、どこか色気すらも感じられる雰囲気。間取りの形状的にどうしても光が届かないところはさすがに暗いが、照明を付けると、5.5mある天井高や頑丈で防御力が強そうなコンクリートブロックの荒々しい表情の壁面がくっきりと浮かび上がり、その壮大さに胸が高鳴ってワクワクが加速した。
地下であるが懸念される圧迫感はほとんどなく、むしろそのスケールの大きさに圧倒されてしまうような魅力的な空間だった。
>>HOW TO USE
言わずもがな、地下で防音性は優れ、このスケール感は希少性が高い。竣工当時から、録音スタジオとして使われていたのも納得できる。しかし今回は、防音工事不可で極端に音が出る業種は残念ながら不可。そうとなれば、思い切って地下に潜む秘密基地のようなオフィスとして使うのも面白い。例えばイメージは、地下研究施設のようなオフィスで、コンクリートの風合いそのままに、壁と床はクリア塗装にとどめる。家具は石材やスチールなどの無機質な素材で揃え、トップライトの真下は、いざとなったらメンバーと作戦会議ができるような大きなテーブルを置く。照明は、デスクライトやブラケットライトが中心で明るく照らしすぎず、トップライトから降り注ぐ光を楽しめるくらいに調整し、いい意味で怪しさも備えた雰囲気に。
新宿のオフィス街から距離を置き、四谷のオフィスらしさを感じさせない建物の地下10mの空間。プライベート感満載のポジションに、心躍らせる自分達だけの秘密のオフィスを構えるというのも悪くないのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
今回照明有無の2パターン撮影した。個人的には照明を消した状態が好みで、暗がりの空間の一点を照らす光とその光に照らされたコンクリートの表情が堪らなくいい。スケルトン空間を照明なしで内見するというのは、あまりないかもしれないが、今回だけは一度照明を切らせて頂きたい。