千駄ヶ谷オフィス|天井スケルトン 窓先の緑を望む空間
EDIT
LOCATION
ここは千駄ヶ谷。新宿駅まで2駅ながら、新宿御苑や明治神宮外苑といった広大な公園に囲まれているのが特徴で、都会の喧騒からは少し離れ、落ち着きを感じられる。今回ご紹介する物件は、駅を降りて新宿駅方面に進むこと2分。綺麗に並んだ街路樹の緑と背の高い建物はほとんどなく、広い空を眺められるような穏やかな場所で、この物件を見つけた。
SPACE
募集区画は、直接動線が設けられた2Fのワンフロア。55㎡のコンパクトな空間であるため、必然的に少人数で使用するオフィスとなりそうだが、それでも圧迫感は殆ど感じず、空間には広がりさえ感じられた。室内は、2方向窓の片方が床から天井まで大きく抜かれ、そこからのイチョウ並木の健やかな眺め。さらには、スケルトン天井は、天高およそ2.9m。そんなむしろ開放的な良い印象が、面積表記以上のゆとりへと繋がっていた。
入口の扉を開けた瞬間に受ける、原状回復して間もない真新しい内装材特有の匂いや、空間の奥行きの良さ。正直、前情報として得ていた窓先のイチョウ並木の眺めくらいは期待していたが、それに加え嗅覚・視覚といった五感から得られる気の良さなどの情報が、自ずと気分を良くし、自分の期待を大きく上回る空間の魅力を感じることができた。
HOW TO USE
面積的に入居者は、少人数の企業が想定される。設立して間もない若い会社か、気心知れたメンバーのみで、じっくりと仕事を味わっているような会社。そのくらいの企業が拠点を探すとなった際、規模感や予算感的には、駅前などの機能性のあるサービスオフィスなども候補に上がってくる可能性もあるかもしれない。ただ、そういった機能性と利便性を優先したサービスオフィスとこの空間を比較した場合、その2つは真逆、対極にある気がした。もし、その2つを比較検討することになった場合、どういう働き方をしたいか、オフィスに求めるものは何かが明確に決まる気がする。ステップアップのための仮オフィスか、じっくり1日1日を堪能しながら過ごすオフィスか。この空間を選ぶ企業は、言わずもがな後者のスタンスとなるだろう。
コンパクトな空間であるが故に、自分達の世界観を作り込みやすい。せっかくならば、小さくとも、気の良いこの空間をどう使おうかの妄想がどんどんと膨らませ、この空間に収まらないほどの夢をみていただきたい。
EDITOR’S EYE
この空間に期待をしていなかったわけではないが、室内に入った瞬間に感じられる爽やかな空気感にテンションはかなり上がった。空間にポテンシャルはあるため、あとは味気のない床材をお好みで整えるだけでも十分、雰囲気良く過ごせると思う。