青葉台オフィス|専用動線付きのセミスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
住所は目黒区青葉台3丁目。この辺りは都内有数の高級住宅街で、まるで美術館のような存在感のある邸宅が多く立ち並び、静けさを纏った空気が辺り一体に漂う。ご紹介の物件が立つ場所は、そんな高級住宅街と呼ばれるエリアからは少しだけ距離を置き、小ぢんまりとした建物が密集する場所。それでも相変わらず穏やかな空気が流れる住宅街の中に、この印象の良い築浅のマンションが立っていた。
>>SPACE
募集は、エントランスから真っ直ぐ伸びる階段を下った先のB1F。室内は、素地のいいコンクリートのスケルトン天井と白壁のシンプルな組み合わせと、印象としてはクール&シック。ドライエリアから差し込む光を受けた白の壁は、ナチュラルに光を反射させ、撮影をしたお昼時は照明を付けずとも、思っていたよりも明るかった。床面の現状は、仕上げがされてなく、統一感のないチグハグな下地の木板が剥き出しの状態。写真では、反射で伝わらないかもしれないが、木板は1枚1枚トーンや木目が違って実は意外と風合いがいい。その質感がクール&シックな空間と良い相性で、これはこれで悪くないと思えたが、これは入居者が好きな床材を選んで欲しいというオーナーからの糊付きの配慮であり、ベトベトしたこのままの利用は現実的では無い。しかし、空間の上半身がすっきりとしすぎているが故か、現状の床材から醸しでる使用感や、温かみ?は絶妙に良い具合で、この空間を引き立てていた。そんな偶然の産物と言える要素が、地下のほぼスケルトンのようなこの空間を、アレンジ次第でとっておきの場所になるという期待を膨らませてくれた。
>>HOW TO USE
壁や天井のクール&シックな要素それだけでもこの空間は成立してしまうが、下地床の木板の風合いの良さに気づいた自分は、この空間に必要なのは “優しさ”なのではないかと感じた。もちろん、ここを全体的にクール&シックの方向性で整えるのもありだが、地下でそういった雰囲気はどこか真っ向勝負過ぎるし、長く付き合うとなるとなんだか疲れそうな気もする。それならばこの空間を、質感高めの木などの温かみのある床材とし、空間をさらに引き立たせる。そして、ドライエリアから差し込む柔らかい光をうまく使い、有機的な“優しさ”の要素を加えた演出をすることで、より居心地良く過ごせる空間に仕上げるのが正解な気がした。
この物件を体感してふと思ったのは、空間も人も“かっこいい”は人を惹きつける魅力のひとつであるが、居心地良く、長く付き合うには“優しさ”が不可欠ではないかということ。空間をアレンジする際に、空間に“優しさ”を加えるという視点、いかがだろうか?
EDITOR’S EYE
この空間の下地の木板が、つぎはぎのようにも見えて、それがお洒落で個人的にはめちゃくちゃ好き。床材を剥がした跡のノリがべったり付いているし、下地をそのまま使うというのは現実的ではないかもしれないが、できることならどうかこの状態を活かしたいなと、そう思えた。