千駄ヶ谷オフィス|天井スケルトン リノベ空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りは代々木駅。新宿と原宿といった賑わう街の間に位置しながら、ガヤガヤしている訳ではなく、どこか落ち着きを感じられる様な街。少し足を伸ばせば新宿御苑で、緑をたっぷり感じられるといったそんな立地も魅力的だ。この建物があるのは、正しく御苑側で、明治通りから1本入った細い路地。遠くには御苑の緑が見え、太陽の光をたっぷりと浴びながら立っていた。
>>SPACE
募集は3Fのワンフロア。2021年にリノベーションされたこの空間は、スケルトンの天井にライティングレールが取り付けられスッキリとしており、フローリングはヘリンボーン張りの今どきっぽいオフィス仕様。室内に入った時の印象としては、シンと落ち着きがあって、全体的にクールさを感じられる。外は晴天で、建物自体に陽がガンガンに当たっているのに、空間に差し込む窓からの光は控えめで柔らかい。よく見れば、陽が当たりすぎるが故に窓に貼られた遮光フィルム。勿体無いと感じる人もいるかもしれないが、現実的にはブラインドやカーテンなどをせずに利用できる、この光の塩梅は有難いとも言えるだろう。
空間としては、入口を入って左右に別れる。陽の光が程よく差し、メンバー達とコミュニケーションをとりつつ明るい雰囲気で働ける様な左表側と、しっかり集中して作業を進められそうな落ち着いた雰囲気を纏った右奥側。同じ室内に2つのキャラクターが共存し、その両者があることで、この空間の用途に奥行きが生まれそうに感じた。
>>HOW TO USE
この空間を訪れた時、いい感じに機能している遮光フィルムから想像が広がり、物事の“塩梅”について考えていた。例えば、人でいう“笑う”という行動。手を叩きながら豪快に笑う人も周りをハッピーにさせてくれて良いが、おしとやかに笑う人は、どこか上品で魅力的に映ったりする。泣くことも、怒ることも同様に、人の程度は様々で、どれが正解というわけではなく、それぞれの個性が、異なる感情の出方に反映する。
そういった程度、塩梅というのは、空間においても似ている。陽当たり抜群でめちゃくちゃ明るい空間は、ぱっと見印象は良い。また、同じ空間でも明るさのトーンを落とすことによって優しさや、柔らかさにつながりリラックスできる態勢を整えてくれる。そう、この空間は、全体的に控えめな後者にあたる。渋谷、新宿に挟まれる街でありながら、独特な時間の流れる代々木。そして、近くには御苑も控えており、どことなく抑えめな立地に、静かで、明るすぎないマイルドな空間。なかなかイイ塩梅。自分たちの温度感や空気感を大事に働きたいなら、ペースが崩されにくく、この様なあえて穏やかな環境はかなりお薦めできると思った。
EDITOR’S EYE
働く環境であれば、適切な照度を保つのは大切。この空間にはライティングレールが元から付いているため、照明を取り付けるのも容易なはず。執務スペースにはスポットライトでしっかりとデスク下を照らし、みんなが集まるリラックススペースには、空間のシンボルとなるようなペンダントライトを取り付けてみても面白いかもしれない。