恵比寿SOHO|個性的な内装のレジデンス空間
EDIT
>>LOCATION
恵比寿銀座商店街を抜け、緩やかに伸びていく観音坂。この坂道を進んだ先に広がるのは住居エリアということもあって、駅前の繁華街のガヤガヤとした賑やかな雰囲気とは打って変わって、穏やかな空気感が流れている。ギラギラとした高層マンションではなく、レトロなマンションが多いところも、この辺りのどこかのんびりとした印象をより深めている気がした。そんな観音坂を上ぼりきり、少し折れたところに、この低層のマンションがどっしりと構えていた。
>>SPACE
募集は2SLDKの住居タイプの空間。室内に入れば、日本の住宅特有の上がり框がないことで、ここが外国人向けのレジデンスだったことがすぐにわかるだろう。そして、入って早々に意外なのが、玄関部分と廊下がタイル張りになっていること。オフィスでも住宅でもなかなかお目にかかることは少ないブラックの石調の質感がクールで第一印象は◎。そうなると自然と他の部屋はどんな床になっているのかと気になってきてしまう。メインとなるリビングスペースに関しては、グレーのマットな質感の長尺シートのシンプルな空間、そこから繋がるキッチンは白い大理石風のタイルが爽やかな印象。さらに北西側の個室と倉庫は温かみのあるフローリングと、なかなかバラエティに富んだ床材のオンパレード。そんな風に足元ばかり気にしてしまったが、リビングはしっかり陽も差し込んでいて気持ち良いし、各部屋の広さも一般的な住宅よりも広めでオフィスとしての利用もしやすく、全体としてもなかなかバランスの取れた空間だった。
>>HOW TO USE
各部屋の床材のバリエーションの豊富さは面白いが、壁や天井はスタンダード。そうなると、床材に合わせて各部屋をスタイリングしてみるのはいかがだろうか。シンプルさが際立つリビングは床材と統一するようにグレーの濃淡で壁や天井を塗装してみる。設置する家具もテクスチャーの目立たないスッキリした質感のものをチョイスして、ショールームの様なこなれた空間を目指しても良いだろう。フローリングの部屋は、唯一個性的な柄のクロスになっているが、ここはシンプルな白に変更し、植物を多く設置したりと、温かみのある空間をベースに、有機的な居心地の良さもプラスしてみる。もちろん、廊下や玄関も気を抜かず、黒いタイルの質感を活かして照明を変えてみたり、アートを飾るなどで室内に入ってすぐに感じる印象を底上げしてみて頂きたい。
オフィスを利用する際、床材をベースに内装を検討していくことはなかなかないかもしれない。しかし、オシャレは足元からと言われる様に、ここで働くことで目が行きにくい足元まで気が利く、そんな細やかな意識を育むことに繋がったら素敵だ。
EDITOR’S EYE
一つ一つのスペースで印象が異なることもあり、内装や完成形をイメージするだけでもちょっと楽しく思えてはこないだろうか。入居前に社内でそれぞれ担当分けをして、各部屋の内装やインテリアを考えるなんてのも、この空間を楽しく利用できそうな気がした。