南青山オフィス|骨董通り付近 クリーンな空間
EDIT
>>LOCATION
青山通りから六本木通りまで抜けていく骨董通り。感度の高いショップやカフェなどが肩を並べ、車や人通りが多く、賑わいがありながらも雑多な印象はない。少し脇道へ入ると空気感が変わり、住宅も混じった静かなエリアに。建物はモダンというより、一昔前のトレンドのようなクラシカルな建物が立ち並ぶ。この建物もまた、少々レトロ感のあるタイル張りの外観で、小原流会館を過ぎて脇道を入った落ち着きのある場所に立っていた。
>>SPACE
竣工から約半世紀が経つマンション5F区画が今回の募集区画。扉を開くと艶やかな白のフローリングシートが広がり、床、壁、天井、照明と白で統一されたクリーンな印象。約半世紀物の建物とは思えない清潔感満載の空間がそこにはあった。それもそのはず、この空間は数年前にリノベーションされ、クリーンどころかしっかり目のキッチンやシャワーブース、おまけに床暖房も完備と機能性も高い。元々住宅ということからくる柔らかさと、華やかな街に対して驚くべきほどの静かさを兼ね揃えた空間は、夏は白い空間に反射した柔らかい光と涼やかな居心地、冬は足元からぬくぬくとほっこりしてしまう様な居心地が容易に想像できてしまう。
どこかゆったりとした時間が流れるこの空間は、残念ながら窓先の景色には恵まれていない。でも、それによってプライベート感が高く、包み込まれた様な安心感を与えてくれる。ここに出来上がるのは、居心地が良く守られているかの様な青山のオフィス。なかなか魅力的な空間だと思った。
>>HOW TO USE
唐突な話題で恐縮だが、世の中では、管理やスペースの観点から近年電子書籍や、書類のデータ化が急速に進んできている。しかし、この空間の十分すぎる本棚においては、“焦ることはない”と言っているかの様。だから、少しだけマイペースにアナログからデジタルへの移行を味わってみるのはいかがだろうか。
本棚が必須だった時代から、直に本が趣向性の高い存在に。そんな時代がくるのも遠くはない将来。この空間で、仕事に必要な書類や本がなくなっていくと、その空いた棚は、何かを飾る役目に変わったり、趣向性の高いものが並び始めることになるのではないだろうか。そう考えたら、オフィスに置いて必要であった本や書類が少なくなることは、便利になるだけでなく、オフィスに趣向性の高いものが増えていくということ。後回しにしがちなデジタル化だが、この豊富な棚と居心地の良い空間は、データ化が進むにつれて、空間に利用者らしい個性が加わってくると考えたら面白くないだろうか。
EDITOR’S EYE
実はこの空間、格子状の棚の他にも収納スペースは設けられている。玄関を開けるとすぐ横に、2枚引き違い扉の大きな収納棚があった。扉が設けられているため、こっちは保管書類や景観を損ねそうな備品等を収納する用に使うといいかもしれない。