元代々木町オフィス | 建築家 坂茂氏設計の空間
EDIT
>>LOCATION
最寄りは代々木八幡駅。南口を出て左手は、生活に寄り添うチェーン店やお洒落なカフェ、レストランなど井の頭通りに出る短い間にもかかわらずバリエーション豊かなお店が立ち並ぶ、駅前の商店街通り。そっち側に寄り道したくなる気持ちをグッと堪えて、今回は反対方面へ。数分おきに閉まる踏切を過ぎて程なくして現れたのが、コンクリートで出来た格子状の外観をしたこの建物だ。
>>SPACE
この建物は、過去に建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した坂茂氏の設計によるもので、今回募集となるのはその4F。室内は2方向に大きな窓が設けられ、東側の窓からは、その特徴的な格子状のデザインを室内からも楽しむことができる。前入居者がアレンジしたフローリングが、原状回復でカーペットに戻されてしまったのは少々残念だが、改修されたばかりの室内には清潔感が漂う。現状は、タイルカーペットによりスタンダードなオフィス仕様の印象がありつつも、コンクリート剥き出しの柱や一部、黒とピンクの壁面があり、少々手を加えるだけでも見違えることだろう。
外観はパキッとしたクールな印象を受けるが、室内は丸みを帯びた壁面や東南方向から光が差し込み、物腰が柔らかく親しみやすい空間であった。
>>HOW TO USE
デザイン性に富んだ服を選ぶ時と同じように、ネームバリューあるこの建物に相応しくうまく使いこなせるのかと少々不安に感じるかも知れないが、そこは安心して欲しい。よくあるオフィス物件より少々エッジが効いているかも知れないが、新たに手を加えるにしても扱いやすいオフィス仕様。さらに、坂茂氏設計にも関わらず、坪単価は16,000円(税抜)とリーズナブルな設定は、内装・インテリアとアレンジに費用をかけやすいはずだ。そして何より立地は代々木上原と代々木八幡の2つの商店街に挟まれる位置で、肩の力を抜いてリラックスして過ごせるようなローカルな空気感が漂う。この建物を人で例えるなら、ブランド品で身を固めた一見クールで近寄りがたい印象を受けるかも知れない。しかし本当の所は、愛想がよく、誰にでも分け隔てなく接してくれる。そんな近寄りやすく、多くの人から好かれる存在だと感じた。
EDITOR’S EYE
2つの商店街とアクセスがよく、ランチは困らない。行きつけのお店を探索するのも楽しいだろうし、仕事が煮詰まってしまった際は、リフレッシュしにコーヒー片手に代々木公園まで散歩するのもいいだろう。