南青山オフィス|原状回復不要の居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
表参道駅のスパイラル出口から青山通りを抜け、骨董通りに入ってまっすぐ進む。その道中、はじめは小洒落たショップやカフェが肩を並べるが、次第に岡本太郎記念館やブルーノートも近くなり、文化圏としての色合いも濃くなる。今回ご紹介する物件はそんな骨董通りと恵比寿方面へ伸びる駒沢通りが交わる南青山六丁目交差点付近。広尾や恵比寿、西麻布にもアクセスしやすい絶妙なポジションに立っていた。
>>SPACE
ご紹介は2Fのワンフロア。元々アパレル企業がオフィス&ショールームとして使っていた空間を、今回そのまま引き継ぐ形での募集となる。撮影当日は大雨だったものの、室内に入った瞬間感じたのは空気感の良さ。現状空間は細かく分かれているが、空間をガラス扉にしたり、どの空間も駒沢通り側に窓が面しているから、 すっきりとしていて気持ちが良い。雨でこれならば、晴れた日にはどんな印象を感じることができるのか、とついつい考えてしまうほど。そんな空気感に影響を受けてか 、この少々味気なさの残る空間のもっと違う表情も見てみたいと思った 。
黒いトーンの床材は、フローリングや白いPタイルに変更し、明るさや健やかさをプラスアルファ。天井は解体して蛍光灯をライティングレールにして色気を加える照明を。もしかしたらめちゃくちゃ良いコンクリートの素地すらも出てくる期待もあるので、まずは素地を見てから判断しても良いだろう。今はまだ手を加える余地を大きく残す空間だが、ここから大きく化けるのは間違いない。そんな期待をさせてくれるには十分なポテンシャルを持つ空間だった。
>>HOW TO USE
この仕事をしていると、直感的に良いかもと思う物件に出会う時がある。駅近やずば抜けた天井高、街を見渡せる眺望のような誰もがわかるような明確な要素でなく、イメージが広がるというか、実際に利用する時の想像が自然とできてしまうといったものだろうか。今回の物件もまさにそれ。
床や天井をアレンジすれば良くなるのは明確。さらに細かく分かれた空間たちもゆったりとしたレイアウトに再編成して、適度な死角を作ったり、オープンでありながら、程よいクローズ感もあって、on/offのスイッチを作りやすい環境を作る。窓先に目線を向ければ、街との距離は近く、向かいの青山らしいインテリアショップのショールームがキラキラと輝いているので、それを眺めながら働くのも良さそうだ。そして、貸主が認めたものについては原状回復不要というのだから、膨らんだイメージへのアレンジにもブレーキをかけることなく、アクセルを踏み切ることができるのではないだろうか。写真と文章でどこまで伝わるかは正直わからないが、オフィス探しにおいても直感は大事な要素の1つ。そして僕の直感はよく当たるということを、最後にここで伝えておきたい。
EDITOR’S EYE
ある大学の研究結果によると最初の直感の90%は的中するという結果が出ているらしい。
これは過去の経験の記憶という根拠に基づいているとのことだから、現地で感じた直感を信じてみてもいいかもしれない。
(ダメかもって思ったら、ダメかもしれないけど、、、)