南青山オフィス | リノベ済みセミスケルトン空間
EDIT
>>LOCATION
南青山の骨董通り。かつては通りの中央を路面電車が走り、道沿いには骨董品店が多く並んでいた事から、自然とこの名で呼ばれるようになったようだ。今では飲食店やカフェ、アパレルなど、華やかな店舗が路面に肩を寄せ合い、その上層階にはデザインオフィスなどが多く構える。かつての姿は想像がしづらいほど、今では垢抜けた通りになったと言えるだろう。そんな通りを古くから知るこの大型マンション。今回はその建物の中に、古き良さを感じられるこの空間を見つけた。
>>SPACE
募集は中層階7Fの角部屋。昔ながらの少し重厚な鉄扉を開けると、この空間が優しく迎え入れてくれる。
室内は今どきなセミスケルトン仕様の空間。コンクリート素地現しの壁・天井は、一部鉄筋すらも露わになるほどの荒々しさはあるものの、この空間からは変に無骨な印象というか、スケルトン物件特有のドライな感じはあまり受けない。むしろ2方向からサンサンと光が射し込み、明るく、見かけによらず優しさや温かみも感じられる。光に照らされたコンクリート壁の凹凸がまたいいテクスチャとなり、歳を重ねて深みを増したいい表情を滲ませていた。
また、室内だけにとどまらず、窓先の眺めもgood。特に六本木側の窓からは、遠くのビル群まですーっと抜けて、とても気持ちがいい。個人的にはこの窓際に、専用の席を構えたいぐらいだった。この空間へ踏み入れた瞬間、すぐにいい出会いを感じられるような、とても魅力的な空間だった。
>>HOW TO USE
これはこれで完成している空間なので、特に大きくいじる必要もないだろう。このラフなワンルームの姿が素敵で、このままデスクや植物などを置いてカジュアルに使って頂くぐらいが、この空間には合っているのだと思う。ただ、もし内装に手を加える余裕があるのであれば、床材は変えても良いかもしれない。素地のコンクリート現しでよりワイルドな表情を見せるか。または木材などでより空間に温かみを持たせるか。床材でキャラクターをプラスしてあげることで、もうワンステップ空間を進化させてあげることはできるのではないだろうか。
青山というブランドエリアでありながら、骨董通りという古き良きものとの繋がりのある立地。そこに立つレトロなこの建物を含め、ほどよく肩の力が抜けた感が大きな魅力であるこの空間。ブランドエリアと言えど、ここではあまりかしこまりすぎず、むしろ気を大きく緩めてラフに過ごすぐらいがちょうどいい働き方ではないだろか。ただ、そんなラフな姿すら、やはりこの青山エリアにいるとまたどこか絵になってしまうから不思議なものだろう。
EDITOR’S EYE
建物角部屋の中層階で、方角的にも2面窓から1日中光が射し込む絶妙なポジションというのもこの空間の大きな魅力。天気の良い日中は、ぽかぽかと陽を浴びながら好きな作業に没頭ししていただける空間だろう。