南青山店舗・オフィス | 外苑西通り沿いオールドマンション1F
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>>LOCATION
この建物が立つのは、外苑西通り沿いの南青山アドレス。この辺りのアイコンとして親しまれているスキーショップジローの隣と伝えれば、イメージしやすい方も多いのではないだろうか。なかなか哀愁感あるオールドマンションだが、中には小洒落たレストランやデザインオフィスとして改装されている部屋など、その古さをうまく活かした空間もチラチラと覗かせてくれ、探ってみると結構楽しい発見のある建物だ。今回はそのマンションの中でも、おそらく1番シュールと言える区画を、偶然見つけてしまった。
>>SPACE
入り口は交差点の角地。そこにあるレストランについつい目を奪われてしまい、これまではあまり気にも留めていなかったが、よく見るとそのレストランの下に、まるで洞穴のような怪しげな入り口があった。
恐る恐るその穴の中へ入っていくと、ある意味その内部は予想通り。真っ暗で、まるで獣の巣そのまま。ゴツゴツした岩のような空間に、唯一射し込むのは入り口の光だけ。それでもだいぶうっすらと怪しげな雰囲気に包まれていて、奥には大きな熊でも潜んでいるんじゃないかと、恐怖すら思えてしまう。
しかし、しばらく経つとだいぶ目も慣れてきて、全体を見渡せるようになってくる。以前まで飲食店だったこの区画。今はフルスケルトンで、だいぶ荒々しいコンクリート素地が露わになっただけの状態だが、形はなかなかいい。箱型で均等に柱が並んでいるだけのシンプルな間取りで、変な癖はなく、扱いやすさもある。この妙な世界観を含め、なにか面白く使えそうな、変な期待値だけはこの空間にあった。
>>HOW TO USE
こんなところにあったんだ!そんなリアクションが目に浮かぶのが、この物件の面白みだと感じている。フルスケルトンで光も満足に入らないので、オフィス向きと言うのは少々無理があるが、例えばこの潜み感&ダイレクトインのアプローチを活かして、ギャラリーやショールームなどには面白いのかもしれない。窓はなく面も多いし、柱の並びからもスッキリ使え、世界観もガッチリ彩りやすい。もちろんショップや飲食などでもOKだろう。今はなにもない空間だが、キャッチーな雰囲気だけは十分に備えている。そんな青山の中にある洞穴な雰囲気をどう活かし、この空間の中にどのようなサプライズや秘密を組み込むか、そんな楽しいチャレンジはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
フルスケルトンなので、工事費などは覚悟いただきたい。ただ、この南青山の立地と、路面店舗区画にしては、賃料単価が15,000円台とだいぶリーズナブルな設定なため、なかなか現実味は高い物件ではないだろうか。この洞穴のような雰囲気をより際立たせるよう、入り口扉などからこだわって世界観を演出していただきたい。