代々木上原オフィス|ツタに隠された個性派空間
EDIT
>>LOCATION
もはや説明不要の人気を誇る代々木上原。小洒落たお店の多い駅前から代々木八幡へと続く通りの一本裏手には、まだまだ昔ながらの姿を残すローカル感の心地良い通りがある。そんな通り沿いにある、恐らく初見では通り過ぎてしまうであろうこの建物。今回の募集に際して多少カットされているが、ツタが生い茂り、建物自体をスッポリと隠してしまっているかの様な光景が印象的な建物だ。
>>SPACE
接道2mギリギリとなんとも間口の狭いこの建物。建物正面の外階段には、ツタを這わす前提で作られた円柱状のフェンスが取り付けられ、10数年の年月を経て、今の緑溢れる個性的な姿が作りあげられていた。
そんな風貌だけでなく、緑の奥にある空間もなかなか魅力的だ。外階段から上がった2Fの室内は、素地の良いコンクリートのスッキリとした縦長空間。室内に入ってすぐのカクカクとした半円状のガラスの壁のおかげもあって、縦長の空間に開けた印象と絶妙な採光をもたらし、色気のある空間になっていた。
対して3-4Fは同じ縦長空間ではあるが、2LDKの住居仕様。3Fはコンクリートのベースは変わらず、床はフローリングで居心地も良い。その上の最上階4Fは2つの部屋に分かれているが、そのどちらもアールを描いた天井で、床も天井も壁も木の板で覆われた木のドームのような空間。その先には、こちらものびのびと育ち過ぎた植物たちによって埋め尽くされてしまってはいるが、ルーフテラスというおまけまで備わっていた。
外観から室内まで、どこを切り取っても個性的な魅力の光る物件だった。
>>HOW TO USE
パッと見はツタの影に隠れ、その存在をひた隠しにするかの様に潜んでいるこの建物。しかし、建物自体は隠れてしまっていても、その個性や存在感の強さは随所に溢れ出ている様に思えた。2F区画は、商品の映えそうなスケルトンベースの空間なので、ショールームや隠れ家的な店舗としても良いだろう。3-4Fはテラスや外部階段にも緑が溢れているため、気持ち良く過ごせて、仕事も捗ってくれそうだ。どちらの良さも捨て難く、個人的には、予算さえハマれば、そんな2区画セットでイイトコ取りで利用するのがマスト!とも思えた。
大々的に前に出ていくことは敢えてしなくても、企業としての取り組みや仕事ぶり、生み出す商品などで、密やかに存在感を放つ。そんな風にこの建物とともにひっそり、且つしっかりと輝いていただきたい。
EDITOR’S EYE
以前はオーナーが1棟利用していて、野菜やフルーツを使用した見た目にも華やかなピザが人気のお店だった。その頃は今よりもさらにモサモサにツタが生茂っていて、ほとんど建物も見えない状態だったそうだ。そんな状態になれば、逆にまた存在感が増していくことになりそうだ。