南青山オフィス|1F路面区画
EDIT
>>LOCATION
外苑前駅と青山一丁目駅のちょうど中間ほどにある南青山2丁目エリア。青山通りと銀杏並木がぶつかる青山2丁目の交差点付近から1本裏に入って行くと、先ほどの青山通りの車通りや人通りのある印象とは違い、目の前に穏やかな住宅街の光景が広がる。この長閑な雰囲気から、のんびりしていて時間がゆったりと流れるような感覚になる。そんな落ち着いた街並みにこの白いタイル調の可愛らしい建物を見つけた。
>>SPACE
今回の募集は、この建物の顔となる部分である1F路面区画だ。
空間は中央部分で道路側と奥側の2つにざっくり分かれていて、そのせいもあって空間に入った時には、面積の割に意外とコンパクトな印象を抱く。ただ、道路側の空間の色っぽさたるやはなかなかのレベル。前入居者の造作物を解体したままのスケルトンと言いながらも、サッシのクオリティと、良い感じの荒々しさの中にスマートさがチラついて絶妙な良さがあった。一方、裏側の空間は、そう言った意味ではスクラップ感が高くそのままでは厳しいが、思った以上に明るさがあることで、作り込めば隠れ家感もある居心地の良さが高まる気配アリとポテンシャルは十分だった。
周辺が住宅環境だからか、空間もとても静かで落ち着く。そんな中で、この空間の撮影中に前面道路で、幼稚園帰り?の親子連れが歩いていて、小さい子がこちらを覗きに来て、お母さんが笑顔で会釈するというシーンも。そんなことから治安の良さもよく伝わり、ここで働いたら安心できて気分がいいだろうなと思えた。
>>HOW TO USE
実はこの区画、前入居者は理容室とバーを併設していたという。通りに向けて前面の空間はBARとして。仕切りの向こうにある奥の空間は理容室として利用し、髪も気分もさっぱりした後に、コーヒーだけでなくお酒も飲めるという、なんともお洒落で素敵なコンセプト。今ではすっかりスケルトンに戻り、その面影も見当たらないが、きっちり分けられた前後の空間をうまく活用する事を考えると良いアイディア。
視認性のある道路側の空間を実用性の高いショールームや、打ち合わせスペースとして組み合わせるのもいいが、せっかくなら、前利用者と同じように、2つの顔を作ってみてもいいかもしれない。少々コンパクトになるが、奥にはオフィスを構え、手前でコーヒースタンドに挑戦してみる。新たに人を雇うとなるとハードルも上がるので、思い切ってスタッフみんなで学園祭ノリか初めてみるというのもアリとしよう。その結果、本業のスキルや経験値だけにとどまらず、スタッフ全員がバリスタに成長するなんて会社があったらかなり面白いんじゃないか。ちょっと想像が過ぎる感じだが、移転という機会だからこそ何かを始めるきっかけも起こしやすいのは確か。単なる働く場所を探すのではなく、自分たちのまだ見ぬ可能性にアンテナを伸ばしつつ夢のふくらむ移転をしてもらいたい。
EDITOR’S EYE
余談だが、昔友人が大学入試の面接時に緊張しまくって、面接官に将来の夢を聞かれた時、幼い頃の夢への質問かと思い、パイロットと答えた。残念ながらその学部ではパイロットになることができないので、面接官も慌てたという。
コーヒースタンド付きのオフィス。ここなら、夢はバリスタという人が面接しにきても両手を広げて歓迎できるかもしれない。