原宿オフィス|個性的な外観の天高空間
EDIT
>>LOCATION
神宮前交差点から明治通りを千駄ヶ谷方面へ。ラフォーレや東急プラザから始まり、世界有数のファッションの聖地「原宿」を象徴するかの様に、至る所にアパレルショップが多く点在している。多種多様なファッションに身を包んだ人々で賑わうそんなエリアを進み、原宿警察署近くに来ると、様々なレーベルのBEAMSが並ぶ一画がある。そこにある少々異質な存在感を放つこの建物。雰囲気良く作り込まれたショーケースの様な路面区画から見上げると、コンクリートの外観にヒビが!?と思わず目を疑ってしまう様なビルが立っていた。
>>SPACE
鈴木エドワード建築設計事務所の設計によるアバンギャルドなデザインが目を惹く外観の建物。今回の募集はその3Fだ。このヒビ割れた外観のデザインを採用したことで、外へのアピールとしてはかなりのインパクトとなっているが、デザインの代償とも言うべきか、入口側に開口部はほぼなく、暗めな印象からスタートする。しかし、一歩室内へ踏み込めば、3.3mの高い天井高で、建物奥の南東側は、ほぼ一面が窓で明るさも充分。奥行きのある空間形状も相まって、洞窟に入って抜けた先の様な幻想的な光に思え、期待感と安堵感をより感じられた。水まわり設備を中心に、空間は手前と奥の2つのスペースに分けられるため、使い勝手のイメージもしやすい。さらには、十分に高いスケルトン天井や素地の良さを感じるコンクリートなど、ベースも整った空間に、ポテンシャルの高さを感じた。
>>HOW TO USE
この物件は、原宿という自由な街でもセコムや警察署の前に立ち、常に目の行き届く安全な場所で、守られている感が非常に強いというところが面白い。そんな室内においても、奥まった南側は明るく、光に包まれた様で安心感も感じられる。道路側は“ヒビ”は入っていれども、がっちりとした強固な壁により守られているので、さらに鉄壁な印象にさえ思えてくるだろう。
そんな空間を利用するならば、壁面の多い入口側は、アートや映像などで会社の世界観を表現し、来客を迎えるパブリックなスペースに。奥側は、明るく柔らかな光の中で、プライベート感のある執務スペースに。中央にある水まわり設備を介せば、動線もスマートに使いこなすことができそうだ。
前衛的なデザインの建物でありながら、室内に入ればどこからともなく感じる安心感。何も恐れることなく、安心して仕事に集中して頂きたい。
EDITOR’S EYE
東京にある鈴木エドワード氏の建築はどれも外観に個性的な特徴を持ち合わせている。原宿や表参道、麻布十番など、同様の特徴を持つ建物がいくつかあるので、ちょっと出かけた先で見つけてみたら、きっとこの建物にもっと親近感が湧くかも。