南青山オフィス|好立地に佇む控えめな良空間
EDIT
>>LOCATION
表参道駅交差点からみゆき通りを徒歩数分。コムデギャルソンとプラダのある一角の真裏ほどに分け入ると、そこは表通りに負けないぐらい、多くのハイブランドで賑わうエリアがある。日中でも人通りはまばらであるが、この場所の商業的価値の高さは、軒を連ねる高級店からも窺い知れるだろう。
今回の建物はそんなエリアにありながらも、前の建物の影に隠れるかの様な控えめなポジション。周辺の煌びやかな世界観に遠慮している?なんてイメージも浮かんだが、室内に入ればそれは謙遜だったと感じるぐらい、意思を持った空間があった。
>>SPACE
正面の道路から、旗竿部分を通ってアプローチする建物の2F/3Fが今回の募集。通路部分に生い茂る樹木の先にオーナー宅の和風の門扉が現れたりと、隠れ家的な印象もあるが、室内は意外にも品のある、個性的なリノベーション空間だった。
床をタイル張りとした2Fは、天井は鉄骨剥き出しのスケルトン仕上げで、どこかショップを彷彿とさせるカウンターや収納の造作付き。淡い色味で統一された内装ではあるが、正面窓先の緑が何とも強烈に目に残る様な、独特の世界観のある空間。すぐ上の3Fは逆にカーペット仕様で、窓先の抜けがあるせいか光の印象が強く、どちらかと言えば2Fとは違うオフィスらしいパキッとした感じだ。各階共通して天井は最高3mほどとなり、内装の仕様は異なれど妙に落ち着く心地良い空間。おそらく元々は住宅だったことから来るだろうその心地よさは、この立地を考えると少し異質に思えてしまうほど際立っていた。
>>HOW TO USE
先にお伝えすると、実はこの建物は2023年12月末日までの期間限定賃貸で、その先の賃貸は全くの未定。この立地にあって2Fは坪単価20,000円以下、さらに両フロアとも敷金1ヶ月という破格な条件はそのリミットあってのもの。ただ、現時点からいえばあと2年以上の期間が担保されており、事前の心構えさえできれば、なかなかの掘り出し物と言える物件だ。
内装の違う上下フロアの中から、お好みでどちらかをチョイスしても良いし、一括でモノにして用途に合わせ使い分けることも可能。このエリアらしい品の良さもありつつも、このエリアらしからぬ柔らかな空間と抑えられたコスト感を考えれば、若干アレンジを加えてさらに雰囲気を良くすることも可能だろう。
しおらしめに控えた立地で、タイムリミットまでのスタートはすでに切られているが、その儚さ故に魅力に感じてしまうというのもまた真理。空間にとって残された期間は最後の一花となる可能性大。まだまだ空間としての魅力は損なわれていないため、そうなってしまうのは残念極まりないが、だからこそ、企業の歴史に強く刻まれる様な日々を送り、華々しい期間にしていただけたら本望だ。
EDITOR’S EYE
直近ではデザイン性の高い家電で人気の「BALUMUDA」が、すぐ近くに初のフラッグシップストアをオープンしたりと話題のこのエリア。毎日の通勤路が、いい意味で変化に富んだ緊張感のあるものになるというのは、日常のハリを保つ上でも重要だろう。
ランチのコストは青山ど真ん中だけに中々悩ましいが、選択肢は豊富にある。コンビニも近くにあるので、時には穏やかな空間内のひだまりでのんびりというのも悪くないひと時だろう。