原宿オフィス|緑を感じる駅近路面区画
EDIT
>>LOCATION
場所は原宿。原宿のイメージといえば、世界有数のファッションの聖地で、若い世代を中心に人気が絶えず、賑やかな街という印象があるだろう。しかし、今回の物件があるのは、原宿駅からは徒歩で僅か2分の駅近でありながらも、そんな原宿のイメージを覆す様な穏やかな場所。宮廷ホームという旧皇室専用ホームがあった場所の目の前に位置するためか、明治神宮の敷地に面する緑も多く、ゆったりとした空気感が心地良い。そんな雰囲気によく似合う静謐な印象のコンクリートの建物を見つけた。
>>SPACE
今回の募集は201号室。1F部分は地下に位置するという不思議な造りのため、実際には2F部分が道路とフラットな位置にあり、直接動線もある路面区画。道路側は一面ガラス張りとなっていて、室内からは目の前に緑を感じながら働くことができるという絶妙なポジショニングだ。室内は、原宿というエリアもあってか、少々普通すぎると感じてしまうタイルカーペットだけが残念ではあるが、コンクリート打ちっ放しの壁や柱がクールな印象。さらに天井はボードを貼った状態でも2,700mmほどの高さがあったりと、空間のベースは高めの水準だった。
そして、何やらスッキリとしすぎている様にも感じられる空間を見渡すと、“何か”がないことに気づくだろう。実はこの区画のみならず、オフィス区画全ての室内には水まわりがなく、共用部に集約されているのだ。建物自体は中庭を囲む造りだが、専有部からは中庭を望むことはできない。この建物の設計者は、専有区画からは直接見ることができない中庭を楽しませるために、敢えてトイレを共用部の先に設けたのではないかとさえ思えた。
建物の外も内も緑や自然を感じられて、心地良く働けることが約束された様な空間だった。
>>HOW TO USE
表通り沿いではないため、静かで集中できる環境も揃っていながら、道路に面して一面ガラス張りの路面区画。これほど大々的に外に開けていれば、その視認性の高さ故に、行き交う人々の視線が気になってブラインドを閉めてしまうかもしれない。しかし、目の前に何も建物が無く、緑を存分に感じられる窓先であれば、この窓を閉ざしてしまうのは些かもったいない気がした。それならば、この空間からは、行き交う人々でさえも緑の背景の中で動く景色の一部として眺めてみてはいかがだろうか。そんな景色が、ある種インスタレーションの様にも思え、様々な人が通行することが逆に楽しく感じられそうだ。
そして、そんな景色を眺める外への目線に対し、室内への目線もステージの中の様に見えているはず。余分なもののないスッキリとした空間を舞台として考え、スポットライトを浴びる様に働いてみる。そんな日常によって、働く姿勢も振る舞いも自然と整えられ、通過する人々が思わず足を止めて見惚れてしまうかも。
このオフィスの前を通る人も、この空間で働く人も、その視線の先をいつも楽しめる、そんな場所になったら面白い。
EDITOR’S EYE
実は水まわりが全て室内に無いというわけではなく、扉を開けるとミニキッチンが隠されていたりする。極力スッキリと見せる造りの空間であり、外からも見えることもあって、無駄なものを出しすぎず、整理整頓は必須になりそうだ。