南青山オフィス |1F/2Fメゾネット物件
EDIT
>>LOCATION
表参道駅周辺。忙しなさと活気の中たくさんの車や人が往来している。訪れたのが昼時だったこともあり、仕事の休憩中、ランチに良い場所を探してうろついている人々が多く見えた。この地の象徴的な存在であるスパイラルの裏手に伸びた、細い道を覗く。ある飲食店が行列をなしていて、その向こうへと視線を向けると細い道を塞ぐように一棟のビルが待ち構えていた。
>>SPACE
建物脇のオーソドックスな鉄のドアを開けると、コンパクトながらも、明るくクリーンな空間が現れる。学校などでよく見る木の床材が設えられていて、シンプルな白い壁や天井、大きな窓からの彩光から、公共施設のような安心感のある印象。空間の隅の存在感ある螺旋階段を上がり2階へ行くと、これまた同じ様な雰囲気の空間が現れる。前入居者の退去後そのままの状態のためか、シンプルで整った作りと、経年の使用感などから、ここでもやはり懐かしさを感じる学校のような雰囲気を感じ取った。全体的に生真面目で、優しい顔つきをした区画。学校のチャイムの音が聞こえてきそうだった。
前入居者の造作や、残置物は希望によって、撤去をしてもらうことも可能なため、この空間のポテンシャルを汲み取って、思い切って変身させてもいいだろう。
1階のゆとりのあるテラスは、遮視性がありプライベートな場所として色々な使い方のイメージが膨らむ。2階は、2面採光のため日当たりは良好で、さらに窓を開け放てばすっと風が入り込む気持ち良さがある空間だった。
>> HOW TO USE
現状では、使い方のイメージがしやすい間取りだが、シンプルなくせにどことなくかしこまった雰囲気。そんな生真面目な性格のまま整えてこの空間を利用しみるのももちろんありだが、この立地で優等生としてあり続けるのは、少々もったいなさも感じる。これを機会に、せっかく華やかさと遊び心を携えた表参道の駅近くにいるのだから、思い切ってキャラクターを変えてみてはいかがだろうか。例えば、既存の壁などは全て撤去して、空間の魅力を最大限に感じさせるすっきりとした空間にする。そこに、エッジの効いた家具や反骨精神が垣間見えるようなアートを飾ってみたり、真面目な人間の内なる反抗心を表現する、そんな一種のアート空間のようにアレンジを加えてみるのもいいだろう。
いうなればこれは、優等生からの脱却。元々の素質を活かしつつも、遊び心をもって自由に大胆に組み立て、このエリアにしっくりくる変貌を遂げてみてほしい。
EDITOR’S EYE
少し狭く、入り込んだ場所にある物件だが、だからこそドアを開けた時にぱっと空間が広がるような作り方をすると良さそう。個人的には、1階区画の向こう側に見えるテラスまでの抜けを意識して、訪れた人を驚かせていただきたい。