恵比寿オフィス|天井高約3m空間
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>>LOCATION
恵比寿の中でも地元感の感じられるビール坂。ガーデンプレイスまではもう少しという坂の途中に今回の物件はある。駅からは決して近いとは言えないが、その道中には気の利いた飲食店や流行の店も多く、仕事終わりにも無条件で恵比寿を楽しめるようなポジティブさも感じる場所だ。そんな恵比寿の酸いも甘いも知っている様なこの場所に、やや堅さの感じるタイル張りの外観に少々遊び心のあるパネルを1F部分に施した建物が立っていた。
>>SPACE
小洒落たエントランスを抜けて、募集区画の5Fへ。エレベーターからダイレクトインの室内へと入ると、変則的な間取りの空間が広がっていた。天井が抜けていることもあって、圧迫感はあまり感じられないが、どこか堅牢な雰囲気。全体的にはスタンダードなオフィス仕様がベースであるものの、凹凸の多い壁面でバルコニーも含めて奥まった部分に開口部があるなど、ちょっとした要塞の様な守備力高めの印象だ。そんな中でも天井ボードを抜いて3m近い天井高を確保し、配管を剥き出しにしたり、壁は白とグレーの2トーンに塗り分けるなど、しっかり、イマドキの攻めの姿勢も持ち合わせていた。
また、水まわりの設備は隔離されたかの様に個室の中に収められているため、コンパクトめな空間ではありながらもスペースの使い勝手は悪くはない。変則的な形状、全体的に保守的な印象に加え、大通りを躱した静かな立地の恵比寿の上層階の空間からは、妙な居心地の良さを感じた。
>>HOW TO USE
通常のオフィスではなかなか味わえない様な雰囲気を持っているが、妙に居心地の良さも感じるような空間。この空間は包み込まれているような“守られてる感”があるからこそ、居心地の良さが底上げされているのかもしれない。そんなベースの”守”が感じられる空間においては、コンサバティブに仕上げることも、逆にアバンギャルドに攻めることもどちらを突き詰めていくのも十分アリだろう。どちらにしても、照明は味気ない蛍光灯から色気のある照明に変更したり、スタンダード過ぎるタイルカーペットを変更してさらなる居心地を追求してみるのは必須。エレベーターからダイレクトインで広がる空間の面白さや魅力が感じられれば、とっておきの秘密基地感を作り上げることもできるだろう。
この物件、そして恵比寿という立地を選んだ時点で、すでに攻守のバランスを持ち合わせているんじゃないだろうか。流行を取り入れながらも下町っぽさを残している恵比寿の様に、攻めるも守るも双方のバランスを意識しつつ、この変則的な間取りを活かして、遊びを利かせた独創的な空間へと仕上げてみて頂きたい。
EDITOR’S EYE
ちょっと歩けば、人気の飲食店も多く、帰り道の一杯や打上げなんかにも困ることはなさそうだ。そんな風にスタッフと一緒に話題の店や気になる飲食店を巡りながら、コミュニケーションを図るのもこの街の楽しみの一つかもしれない。