代官山オフィス・ショップ|新築木造スケルトン
EDIT
>>LOCATION
最寄りとなる駅前からは少し歩くが、代官山交番から旧山手通沿いを進んだあたりは、街路樹が立ち並び、低層の建物越しの空がよく見える。代官山・南平台・青葉台という高級住宅の多いエリアのちょうど境目の様な場所ということもあり、穏やかながらも品のある風を感じることができるだろう。今や代官山と言えば・・という存在感を発揮するT-SITEを過ぎ、独特の存在感のあるマレーシア大使館を過ぎた場所に、新たに新築されたこの建物。一風変わったその風貌だが、新入りな割にナチュラルな雰囲気がこの場所に良くハマっていた。
>>SPACE
地下以外を木造としたスケルトン新築物件で、木材を鎧張りした外観からもその個性は十分伝わるだろう。1F奥の階段から2Fに上がると、この空間の魅力がよく伝わる空間がそこにあった。建物側面の全面的に設置されているガラスウィンドウの内側には、ストライプ状に木材が組まれ、木漏れ日の様な光が差し込む。構造上このような窓面になっているとのことだが、単純にガラス1枚だった場合と比較すると、強烈に目に残る光のイメージが印象的だった。
脇にある個室は、サンルームの様になった階段で階下と繋がり、1F/2Fがぐるっと回遊できる動線となっていることもまた面白い。そして、B1Fのテイストはガラッと変わり、広いドライエリアから差し込む光が、壁面のコンクリート、床の木材パネル、天井の鋼板のチグハグにも思える空間を照らし出す。一見アンバランスにも思える異要素のMIX具合は、妙に色っぽい雰囲気。外からは、ナチュラルで健康的に見えるこの建物は、そんな地下のギャップが加わることで、より魅力的なキャラクターに仕上がっていた。
>>HOW TO USE
あちらこちらに散りばめられたように点在する窓があり、天井高も3m以上を確保と開放的なこの物件、よくある店舗用途のスケルトンと分類してしまうのはもったいない。設備的なコストはそれなりだろうが、オリジナリティを追い求める素材としては申し分ないはずだ。対応用途も幅広く、カフェからショップやショールーム、もちろんオフィス機能を持たせることも可能。地下空間と同じく、異要素の混在する複合的な利用であれば、この建物の魅力を更に増すことが出来るだろう。内装に関しては、現状の風合いを上手く活かしたナチュラルかつクリーンな空間として、単なる「映え」重視だけではなく、代官山エリアらしい爽やかで洗練された空気で満たしてみて欲しい。木漏れ日の様な光が差し込む中、ゆったりこもり過ごす時間は、きっと毎日をちょっと良い気分にさせてくれるはずだ。
EDITOR’S EYE
撮影当日は夏日とも呼べる暑さであったが、その素材のせいか不思議なほど暑苦しく感じなかった。少々重めの賃料コストは検討要だが、旧山手沿いの目印の一つになるだけの可能性を秘めた建物だろう。今後、B1Fのドライエリアには植栽予定もあり、さらにナチュラルな雰囲気は加速するはずだ。