代々木オフィス|天井高い セミスケルトン1棟物件
EDIT
>>LOCATION
最寄りとなる新宿駅から甲州街道を初台方面へ。通りの両側を背の高いオフィスビルが挟み込むように立ち並び、どこかビジネス的・商業的なイメージの強い街ではあるが、日本のファッションの新しい芽を育み続けている文化学園があったりもする面白いエリアだ。その文化学園の手前辺りに、急にその一角だけがポンと空が抜けたように、背の高い建物がなくなる場所がある。ビル街の狭間とも言える場所に、削りたての鉛筆の様に尖ったこの建物を見つけた。
>>SPACE
2020年1月に竣工の個性的な出で立ちの築浅1棟物件。室内に入ると、各フロア共にコンパクトに纏まっているが、どのフロアも天井高は3.5m以上を確保し、床から天井までの大開口窓がありかなり開放的。床・天井は、モルタルのままで利用できる様に仕上げられたスケルトンがベースで、ワンフロア上がるごとに空間の内装が整っていくという面白い仕様になっている。1Fは空調ありで壁は剥き出し、2Fは壁が白塗装、3Fはそこにさらに照明まで設置され、そのまま家具を置くだけでも利用開始できそうだ。今回オーナーが1Fに男女別トイレを設置し、元々の素地の整った空間に加えて、設備面での懸念も解消され、あとは入居者を待つばかりという状況になった。
面積表記だけではワンフロアは少し小さめと感じるかもしれないが、一度室内に入れば、その印象は覆される。空間における縦の大きさによって、これほどまで受ける印象が変わるのかと改めて感じる空間だった。
>>HOW TO USE
建築可能な高さギリギリまで、最大限に室内の高さを確保したこの建物を利用するならば、この天井高を活かさない手はないだろう。通常のオフィスでは置けないほど背の高い、もはや大木?と思えるような植物を置くのも良いし、天井からはツタの長い植物やペンダントライトも吊るしたい放題。コンクリートベースで素地が整っているからこそ、少し攻めたインテリアでも許容してくれる建物なのではないだろうか。そんな空間であれば、開放的な空間のオフィスとしての利用でももちろん良いが、顧客向け店舗やショールームを併設したオフィスという利用方法もしっくりくるだろう。空間の印象が良いから、そこに並べる商品もさらに魅力的に映るはずだ。
空間の完成度という解を導くためにも、y=天井高という要素は欠かせない。そして、ここはテストには出ないが覚えておいて欲しい、この空間に必要な方程式はax+y。この方程式をよくよく見れば、きっとそれは見えてくるはずだ。
EDITOR’S EYE
このエリアにしては、なかなかエッジの効いたこの物件。バルコニーや階段室の雰囲気までかなりの拘りが感じられる建物なので、そんな設計者が驚くほどの空間に仕上げてみてはいかがだろうか