広尾オフィス|外国人向けレジデンス SOHO空間
EDIT
>>LOCATION
広尾駅から有栖川宮公園の方に進むこと数分。公園に差し掛かったあたりで、ほんの少しだけ道を逸れると、急にハイソな高級住宅街に入り込む。その辺りは、大使館が点在したり、1つ1つの家のスケール感も大きく、住宅街というより邸宅街といった感じだ。少々厳かな雰囲気を感じたため、いつもより大人し目に目的地となる物件まで行ってみれば、同じブロック内にインターナショナルスクールや、ノルウェー大使館と同居しているこの建物をみつけた。建物の第一印象は、風合いの良い外壁を身に纏いながらも、敷地内の緑の中からひょっこり顔を出している可愛らしい雰囲気があった。
>>SPACE
玄関から一歩足を踏み入れた瞬間に感じる空気感から、ここは、一般的な日本の住宅とは異なる外国人向けのレジデンスだとわかった。ゆったりとした各部屋のサイズ感だけでなく、もはや贅沢と思えるほどの広めの廊下幅や、毛足の長いカーペットや大ぶりなキッチンなどなど、あちらこちらから漂う品の良い仕様と、落ち着きあるレトロ感からその格式の高さが伺える。室内を歩いてみても毛足の長いカーペットが吸音する空間の独特な静けさは、この立地にしっくりくる感じだ。メインとなる31帖のリビングスペースは、南向きに開口部がふんだんに取られており、差し込む光が全体に広がってとても居心地が良い。加えて、その脇には時代を感じさせる愛らしい大きなキッチンが備わっており、そのクラシックさがとてもお洒落に感じた。そして、この空間をもう一つ評価できるのはその動線だ。来客があった場合は、メインのワークスペースを通らず個室やトイレに案内ができたり、キッチンから直接、各部屋へ移動出来たりと、なかなか優秀な動線が備わっているというのは利用のイメージがしやすかった。
>> HOW TO USE
広尾の高級住宅街というロケーション、そして、建物自体にはどことなく奥ゆかしさがあり、つい長居したくなるようなゆったりとした居心地の良い空間。そんな物件だからこそ、長時間オフィスに籠もり、創造的な作業を繰り返すことが多いクリエイティブ系の企業とはかなり相性がいいと思う。
キッチン近くに大きめのダイニングテーブルを置けば、自然とそこで仕事する人が現れ、ランチタイムになれば徐々に人が集まり一緒にご飯を食べる。そして、何気に居心地の良いキッチンや幅広の廊下も、立ち話ついでに軽い打ち合わせなんてこともありそうだ。個室は打ち合わせスペースとして利用するのはもちろん、バスルーム付きの部屋もあるので、時には寝泊りするのもいいだろう。ここは、いろんな場所で働くと暮らすが入り混じり、コミュニケーションが生まれそうな空間なので、これまでよりもスタッフ間の距離が近くなる可能性は十分。普通のオフィスのようなドライさはないので、この物件に似合うウェットな関係を築きながら、ここで過ごす時間を大事にしてもらえたらと思った。
EDITOR’S EYE
撮影に行った時も、その居心地の良さから、ついつい長居したくなる空間だった。建物から歩いて1分程の有栖川宮公園は、森のような緑が溢れており、都会にいることを忘れさせてくれそうな場所。仕事の合間、息抜きしたい時などに訪れてみてほしい。