松濤オフィス | 最上階スケルトン
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>>LOCATION
渋谷駅からは徒歩7分。東急本店方面へと歩道の混雑を縫うように進み、Bunkamura方面へと曲がる。ちょうど円山町・松濤の中間に位置するこのあたりは、静かで穏やかな住宅街的要素と、商業的であからさまな雰囲気が混じりあう独特のエリア。通りを隔てて対極とも思える要素が向かい合う様子は、ここカオスな渋谷の中でも特徴のある場所と言えるだろう。そんな個性的なエリアにあるこの建物は、Bunkamura目の前の交差点を上から見下ろすような最上階に、ちょっと変わった空間を眠らせていた。
>>SPACE
募集区画は最上階の7F。エレベーターの扉が開くと普段はお目にかかれないBunkamuraの頭部がまず目に飛び込み、自分がいる場所の高さを認識させてくれた。
元々は住居区画で小分けにされた空間であったが、現状はその全てを解体しており、玄関扉の先に待っていたのは、やや埃っぽい匂いのあるスケルトン区画。耐火被覆むき出しの天井は高さ約3mで、元住居ということもあってか窓が多く明るい空間だ。窓際の一部が勾配になっている為かどこか屋根裏の様な雰囲気があり、ちょっとした秘密基地っぽさにテンションが上がってしまった。
最上階ということで密かに期待していた眺望は、室内からだとそこまでのものではなかったが、南東の方向に確保されたバルコニーからは渋谷〜山手通り方面へと視線が抜け、その視点の違いからか、いつも見慣れたはずの渋谷の風景が新鮮に感じられた。
>>HOW TO USE
地下や路面に近い位置にあるスケルトン区画はよく目にするが、地上7Fの建物最上階にあるスケルトンは正直レア。一風変わった個性的なオフィスを求めている企業には、その立地も含め、可能性を感じていただけるはずだ。もちろん内装工事にかかる費用負担の重さはあるが、今回の物件は嬉しいことに貸主負担での空調・トイレ設置という条件もあり、オフィス利用としても十分現実味を帯びてくる。水回りの配置含め、レイアウトのイメージもつきやすいフロア形状であるので、この状態からガッツリ仕上げるというよりは、この屋根裏感を残しつつどこまで整えられるかぐらいの感覚がちょうど良いのかもしれない。
現状は少々のイレギュラーさを感じる空箱ではあるが、そんな個性を面白がって頂けるのであれば、インパクト大の空間へと生まれ変わるポテンシャルは、現地を体感した一人として保証させていただきたい。
EDITOR’S EYE
最上階故に夏の暑さなどの懸念点はもちろんあるし、ビル全体から漂う雑居感もあるけれど、それ以上のワクワク感を感じたことは確かだ。
目の前を通る松濤文化村ストリートに沿って風が抜けるような立地的にも、どこか気の良さを感じる空間だった。