広尾オフィス ・店舗|居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
西麻布交差点から外苑西通りを進み、ちょうど笄公園を超えてすぐ。それまではカーブしていた外苑西通りが急にストレートになり、視界がパッと開けるこの辺りは、何度訪れても独特の新鮮味と心地よさが感じられる。
そんな場所から1本住宅地へと分け入った先。広尾や西麻布と聞いて思い浮かぶ一般的なイメージとは少し違い、昔ながらといった感覚の残る街並みにあるこの建物。コンクリートの外観でシュッとした表情ながら、怪しげな雰囲気を持った空間が潜んでいた。
>>SPACE
元々はオーナーが利用していた建物最上階のこちらの空間。階段を登って4Fにつくと、玄関の前には鉄扉があり、気軽に人を寄せ付けない様な独特の空気感がある。元々の室内は、「おそらく」シンプルなワンルームだと思われるが、現状では以前の造作が残るやや複雑な状態。室内中央に鎮座するキッチン、窓際に設けられた壁面、奥にあるクローゼット付きの空間など、住まいとしての要素もあるし、どこかプライベートな飲食店の様な印象もある。黒く塗られた天井に、白い床とガラスの壁や開放的な窓といった、色気と爽やかさが入り混じった様なそれぞれの対比が、若干のチグハグさは残しつつ妙に印象に残る世界観の空間だった。
>>HOW TO USE
現状はクリーニング前、さらに設備は全て残置物扱いとなり、どの様に活用することが正解なのか、正攻法で考えると少し悩んでしまうかもしれないが、遊び心を持ちながら改めて室内を見渡すと、段々とイメージが湧いてくる。中央にあるキッチンからカウンターを少し伸ばしデスクにし、ダイニングでの家族団欒さながら働くのも悪くないし、もちろん給排水などの設備を活かしたままキッチン自体をグレードアップし、料理を絡めたサービスの開発の場としても十分可能。業種については相談だが、店舗的な利用も可能で、隠れ家的なサロンとしても個性を発揮できる場所になるはずだ。
どこか夜の香りのする西麻布と、健やかさを持つ広尾の間に位置し、その室内も相反する要素が混じり合う不思議な世界観。昼夜それぞれの光を存分に取り入れながらも、それぞれ異なる魅力を感じさせてくれるコントラストの効いた空間は、そこで働く人の姿さえも、より鮮明かつ魅力的に浮かび上がらせてくれるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
とは言いつつも、現況がハマらない様であれば、トイレなどの設備を残したスケルトン空間へとの変更工事も相談可能とのこと。怪しさと健やかさ、そのどちらか一つでも魅力を感じる企業にとっては、面白い物件となるに違いない。