六本木オフィス |ミッドタウン脇 緑あふれるSOHO空間
EDIT
>>LOCATION
六本木エリアの2トップといえば、六本木ヒルズとミッドタウンは外せない。どちらも商業施設としてのステータスには遜色ないが、華やかに煌めくヒルズとは違い、外苑東通り沿いで新国立美術館をご近所とするミッドタウンは、ミッドタウンガーデンや隣接する桧町公園含め、緑の多い爽やかなイメージがあり、のんびりとした空気感が心地良く感じるだろう。
ミッドタウンガーデン方面へと歩道を進み、21_21DESIGN SIGHTが見えてくるあたりの脇に立つこの建物は、そんな穏やかな雰囲気の木陰の先に、ひっそりと隠れていた。
>>SPACE
建物を取り囲む様に樹木が生茂り、まるで森の中に訪れた様な独特の世界観を持つこの建物。いわゆるコンクリート打放しのスクエアな外観ではあるが、木材の型枠を使い仕上げた独特の風合いもあり、その佇まいは周囲のロケーションとの違和感を不思議なぐらい感じさせない。ミッドタウン側からぐるりと回り込み、部屋番号以外の情報のないミニマルなエントランスを抜けた先にある募集区画は、スッキリとしたワンルーム。生憎ミッドタウン側の区画ではない為、視線の抜け感こそ少し物足りない気もするが、窓先に揺れる緑に囲まれたプライベート性の高さを考えると、決して見劣りすることはないだろう。
燦々と光が差し込む明るさがあるわけではなく、どちらかと言えばしっとり目の雰囲気を纏った空間ではあるのだが、陰気さが全くないこともあってか、この空間に居続けること自体が圧倒的に心地良かった。
>>HOW TO USE
利便性にも優れた立地でありながらも、周囲の喧騒とは無縁。木々に囲まれたロケーションもあり、建物全体から感じる独特の世界観や、時間の流れがゆっくりと感じてしまうぐらいの穏やかさは、中々他では得られない感覚だろう。現状味気なさすぎる内装もあり、床材や照明などの変更は推奨したいが、あくまで内装自体は脇役としても良い程に、建物の持つ完成度は高いと言える。
利用においては住居契約が前提で登記も不可。もちろん看板や社名の表示も出来ないこともあり、決して扱いやすい物件というわけではないのかもしれないが、空間だけでなく建物全体、敷地に生茂る緑まで含め自分たちのテリトリーだと思える魅力は、そんな高めのハードルをなんとか超えていきたいと思わせてくれるだろう。
時間に追われる様なスピード感は敢えて捨て、穏やかな働き方をイメージしつつも、善は急げだ。
EDITOR’S EYE
建物設計はすぐ隣に事務所を構える、建築事務所「坂倉建築研究所」。1940年代からこの地にある樹木を保存しつつ建てたというから驚きだ。入居においての注意点が多いことはあるが、まずはこの建物に流れる雰囲気を感じてみて欲しい。