五反田オフィス | リノベーション済み上層階空間
EDIT
>>LOCATION
2010年代からベンチャー企業が集積し、一時期は”五反田バレー”とも言われた五反田エリア。駅周辺には多くの飲食店が並び、目黒川なども流れ、働きやすい環境だというのもどこかうなずける。そんな五反田駅からは数分ほどの、山手通りを渡ったところ。向かいには再開発中の大型複合ビルが、2023年末にオープンに向けて今まさに佳境を迎えようとしているその姿を、静かに眺めるようにこの建物は立っていた。
>>SPACE
大通り沿いに立つ、古いタイル張りのビル。その見た目はよくある年代を感じる建物という印象だが、見た目とは裏腹に、いい意味で似つかわしくないこの空間があった。
2023年10月にリノベが完成したばかりの7F部分。スケルトン天井にモルタル調のタイル床、アクセントとして一面の壁をマッド目なターコイズブルーに仕上げている、今やリノベ界の王道スタイルとも言える空間だ。2方向には連続する窓があり、7Fなので窓先の抜け感、眺望もそれはまた良くて、、と、言いたかったものの、窓先は正面の大型ビルにガッチリ塞がれている。ここは正直惜しい部分ではあるものの、そのビルの隙間から時として射し込む光が、ダイレクトに室内を照らす時は、この空間と相まってとても雰囲気が良くなる。そんな一時の爆発力みたいなのが個人的には好きで、毎日その時間を楽しみに待ってしまいそうだ。今でもスタンダードなオフィスビルが多いこの五反田エリアの中では、ポジティブな視線で“らしくない”雰囲気のいいデザイン空間だった。
>>WORKSTYLE
うまくデザインされているので、どのように使っても、それなりに様になりそうな空間だが、この際、この空間を最大限生かすことを考えて、思い切ってフリースペース、ワークスペースを半々という割合で使うというのはどうだろうか。
入り口がある道路側の窓際には、多くの植物やゆったりとしたソファーなどを置いて、オープンなスペースとして利用する。来客時にはラウンジとしてそこで談笑をしたり、日常的にはフリーアドレスで働いてみたり。お昼の時間にはちょうど光が射し込むので、ランチを楽しむというのもいいだろう。逆に奥側はMTGスペースも備わっているので、そらち側はキッチリカッチリ働くスペースとして利用する。そんな前後2つのスペースを、柔らかくレイヤー分けする程度で全体としてはオープンに使うイメージだ。
渋谷などのエリアではよく見るこのテイストの空間も、この五反田エリアではまだまだ希少な存在。でも、そんな、“らしくない”と言われそうな空間でも、この空間に似合う働き方をイメージして働いてみれば、エリアなんて関係なく素敵な時間を過ごすことができるはず。良い空間は、往々にして使うイメージを膨らませてくれて、良い方向に導いてくれる。この空間もそんなイケてる空間のひとつの気がした。
EDITOR’S EYE
今後正面のビルには、星のリゾートのホテルも入るという。徹夜の日や、たまに仕事を頑張ったご褒美として、うまく利用もいいだろう。繁華街が今でも残るエリアなので、ちょっと歩けば飲食店も多いのがこのエリアの魅力。ランチはもちろん、仕事終わりに街へ繰り出すなど、空間を超えてこのエリアを楽しみ尽くして頂きたい。