渋谷オフィス | 桜丘町築浅デザインビル
EDIT
>>LOCATION
ここ数年でガラッと様相を変えてきている渋谷駅周辺。このリニューアル工事はもう数年ほど続く予定だが、新しい顔ぶれの中でも、特に大規模に手を加えられたのがこの桜丘町だろう。主に3棟の大型ビルから成る新しいエリアで、2023年に開業。飲食店街と新しい商業施設の混じり合う、これからのトレンドエリアの一つになるだろう。そんな再開発エリアに隣接する場所に、時を同じくして少し先取りするかのように誕生したこの建物はあった。
>>SPACE
2021年8月に完成したこのビル。凸凹とランダムに飛び出したようなバルコニーが特徴的で、道路からセットバックさせているため、敷地にいい余白も作りだしていた。
1Fはスケルトンの店舗区画で、2F-5Fが今回ご紹介のオフィス区画となる。室内はダークな色合いを基調とした、シックで落ち着きある雰囲気の空間。水回りが綺麗にまとめられているため、間取りはスッキリとしていて、すごく使いやすそうな印象だ。天井は今どきのセミスケルトン仕様がデフォルト。それに加え、最高3.7Mという恵まれた天井高と、インナーテラス、その先に続くランダムに飛び出したバルコニーと眺望が、よりこの空間に開放感を与えているようだった。
共有部として、8Fにはコンパクト目なルーフバルコニーも付いており、こちらも休憩程度に利用が可能だという。また、室内だけではなく、エントランス周りも作り込まれていて、個性的なタイルが貼られた独特の世界観がまた面白い。全体的にカジュアルすぎず、でも硬すぎずの、絶妙なラインをいく良物件だった。
>>WORKSTYLE
建物・空間自体は完成しているが、この建物の面白味はまだまだこれでは終わらない。2023年に敷地には新たな商業施設も誕生し、環境は一変した。それは急にトレンドエリアの仲間入りといった感じで、渋谷駅からの通勤も、その施設を抜けての直結アクセスが可能だし、この建物の前には丘の上広場という公園も生まれ、建設当時に比べ、より風景や環境も良くなった。建物単体、オフィス単体ではなく、周辺環境も巻き込んで、この建物は最大の魅力を発揮し始めている。そう考えると、まだこの建物は本当の意味での完成ではなく、この桜丘町エリアと共にもう少し先の未来。このエリアを先取りするかのように建てられた、今のトレンドを抑えたこの建物・空間は、スペックもデザインも至れり尽くせり。加えて、この街が作り上げられていくのを日々見る楽しさや、この街の未来への期待値もこの空間で過ごす大きな醍醐味となるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
目の前の商業施設なども完成し、今後徐々に人の流れも出てくるだろう。もう少しゆっくり時間をかけながら、この立地の価値も高まるだろうし、ここに本社を構えることも、十分得しかない気がする。