麹町オフィス|24年3月築 天井高3m超え空間
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>>LOCATION
場所は千代田区麹町。四谷駅-麹町駅をつなぐ新宿通り沿いにこの建物はある。通りの車通りは多く、しっかりとしたオフィスビルが立ち並ぶロードサイド。騒々しくもどこか静かで重々しさすら感じるエリアだが、同時に大人っぽさ、落ち着きという安定感を備え持つこのエリアは個人的には嫌いじゃない。麹町という名に背筋が伸びる感じもするが、この建物はこのエリアでは初々しいニューフェイス。街並みに溶け込むようにシュッとしているが、そのスタイリッシュな感じは隠しきれていなかった。
>>SPACE
空間は、通り沿いに大きく窓を設けた、気持ち良さを感じる空間。エレベーターを降りると真新しい匂いと共に、その印象の良さを振りまいてくれるが、あれ?一体どういう形状??というちょっとした戸惑いも同時に飛び込んでくる。そう、角地の変則的な形状の土地に建てられたこの建物は、その形状もなかなか特殊。ぐるりと室内を回ってみてはじめて“なるほどね”と納得する感じだ。使い方のイメージをするのに色々想像を膨らませると、すぐにこの空間のベースの良さに気付かされる。全体はグレーをメインにモノトーンで、優しい感じ、スマートな感じ、おしゃれな感じがデフォルトの状態でしっかり完成している。形状的には使い勝手は工夫こそ必要だが、この形だからこそ奥行きを感じ、その印象の良さもしっかりと底上げしているように感じた。
>>WORKSTYLE
この麹町という住所地において、この空間の仕様は少々珍しく感じる。モルタルの床、グレートーンの空間、照明はデフォルトで間接照明とダウンライト中心。(照明用のレールも備わっているので、さらに照度が必要であれば照明機器を自己負担にて追加設置可能。)そして、陽が落ちてからの室内は、その照明計画によりなんとも色っぽく表情を変える。
この大人っぽさを求められるエリアは、ワークスペースもそれ相応の相応しさを持つ必要があり、それでいて妙な変化球は受け入られにくい。そんな中、この空間は、少々歪な形状を武器に、まろやかにそして鋭く尖らせた感じだ。どんなエッジの効いた企業も、この仕様であれば納得してくれそうだし、ちょっとカッコよく働きたいと思った企業も満足させることができる絶妙な匙加減。あとは、この工夫が必要な形状攻略に右脳をフル回転させ、クリエイティブにこの空間と付き合ってみていただきたい。
EDITOR’S EYE
南向きの大きな窓は気持ち良さを感じることができる反面、「暑い」「眩しい」と頭を悩ませる時間帯もあることだろう。しかし、そこはリモコン式のロールスクリーンが設置されているので安心して欲しい。