南青山オフィス・SOHO | 合計300㎡、中庭を囲うデザインコートハウス
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>>LOCATION
南青山アドレスの中でも、比較的レジデンス色が濃いめな7丁目エリア。最寄りの表参道駅や広尾駅からでも歩いて15分ほどと、アクセスの面で言うとオフィスとしては少々弱めと言える立地だが、その分穏やかな環境が広がるので、日々出入りの少ない業種には居心地もよくオススメな環境と言えるかもしれない。また、未だ未開拓物件が多く眠る穴場とも言え、今回紹介する物件も、今までうまく身を潜めてきた秘蔵っ子だ。
>>SPACE
2011年にフルリノベーションされ、内外共に清潔感のある仕様となっているモダンな建物。白い箱が軽々と宙に浮いているような軽快なデザインで、周囲の中でも一際輝く存在と言える。ファザードからもだいぶ興味をそそられる建物ではあるが、この物件の神髄は、その内部にしっかりと秘めていた。玄関扉を開けると、まず目に飛び込んでくる視界演出。奥の奥まで一直線に視線が抜ける、良い意味でイヤらしいこの演出には、一瞬で心を奪われた。建物は地下1階から2階までの3層で構成され、中央の吹き抜けを挟んだコートハウスタイプといった作り。うなぎの寝床のような奥深いプランとなっているが、中央の中庭からは日々自然の移ろいを室内に引き込む。それぞれの部屋はこの中庭を中心に展開し、周囲に閉じつつも、自らの小宇宙はしっかり確保した面白い空間と言えるだろう。元々レンジデンスタイプとして作られているので、内部は広めのリビングと、無数の小さな部屋で構成されている。いわゆるオフィス物件のような、1つの大きなボリュームを求めている方には少々希望に合わない間取りではあるが、逆にこの作りを逆手にとった使い方を考えられれば、この建物の魅力はより増すかもしれない。
>>WORKSTYLE
小分けされた無数の部屋をうまく使い、フリーアドレスのような働き方が出来るだろう。例えば、その時の気分や天候などによって、ラップトップを片手に皆それぞれ好きな部屋、場所を選んで仕事をする。部屋によってコンセプトを変えてみるのもいいだろう。明るいポップな部屋、逆に間接照明でムーディーな部屋、椅子の代わりにバランスボールの置かれたエクササイズルームや、カフェ仕様にしたリビングルームなど。気分によっては階段に腰掛けて仕事も良いし、中庭にロッキングチェアーを置いて、サンバスを楽しむ事も出来る。決められた席、部屋で常に働く必要はない。そんな概念を外し、この建物の中で気分によってわがままに働いてみてはどうだろう。
EDITOR’S EYE
建物には玄関扉が2つあり、もう一つの入り口を入ると、別ルートで地下の部屋まで続くルートが現れる。実はその部屋、昔は歯医者さんとして使われていたといい、現在は什器などが撤去されているが、どことなく面影は残っている。メインエリアとも扉で繋がっているが、アプローチが分かれているので、また違った使い方が出来そうな予感がする。