目黒オフィス | 築浅デザインビル 家具付きセットアップ空間
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LOCATION
最寄りの目黒駅からは6分ほど。飲食店などが軒を連ねる権之助坂を下り、目黒川を越えて、左斜めへ伸びる道をしばらく進んだあたりにこの建物はある。この辺りは、古くから残る住宅やオフィス、倉庫やホテルなども入り混じるようなエリア。一般的な“大人おしゃれな目黒”というイメージを持って訪れると、ちょっとギャップを感じてしまうかもしれない。しかし、良くも悪くも垢抜けていないこの環境もまた魅力でもあり、それが結構クセになりそうな居心地の良いエリアだ。
SPACE
2023年6月に完成した築浅ビル。コンクリートとガラスのモダンテイストで、朱色の窓枠フレームや、各窓面に設置されたオーニングなど、オフィスビルとしてはなかなか珍しい顔立ちをしている。
そしてその室内もまた、期待を裏切らないような面白い空間をバッチリ備えていた。ワンフロア2区画に分けた一般的な構成だが、その分け方が独特。四角い空間ではなく、間口は狭くて奥へ長い、言うならうなぎの寝床のような細長い空間。それが横並びに2本並んだような、なかなか攻めたプランだ。正直、最初はなぜ使い勝手の難しそうなこの形に?と思ったが、すぐにこれはアリだなと感じられた。ゆっくりカーブしながら、奥へゆっくりと続くこの細長い空間。端から端までが絶妙に見えないという視覚的な効果もあって、深い奥行きを空間に作り出している。オフィスとしてはなかなか見慣れないタイプの空間だが、実際にこの空間に入れば、きっと使うイメージも想像し易いのではないだろうか。そんな居室の他に、ルーフトップには入居者専用の屋上テラスも設置されていて、室内外で働く環境をバッチリ整えた建物だった。
HOW TO USE
空間だけのノーマルタイプと、家具付きのセットアップタイプ。予めそんな2パターンの部屋が用意されていて、希望に応じて選択可能なところも今っぽい。目黒駅を射程圏内に収めながも、いい意味で外し気味な落ち着いた環境。これからのし上がろうと気合十分なベンチャー企業から、攻めの姿勢は一段落して、これからはじっくりと好きなことだけをと考えている大人クリエイティブな方など、幅広い層に受け入れやすい空間でもあるだろう。
細長な空間なので、うまく個室で切り分ける事もできそうだが、できればこのままのワンルームで。横並びにお互いの距離を保ちながらも、誰かが話していれば、自然と耳に入ってくるぐらいの程よい距離感でゆっくり働く。窓を開ければスーッと風が室内を抜けていくし、天気の良い日は屋上テラスや近くの目黒川沿いで、コーヒー片手にゆったりと打ち合わせなんていうのも素敵な時間ではないか。
この細長い空間をもじるわけじゃないが、ここでは一つの事を、狭く、深く考えて、突き詰めていくような職人肌な働き方、過ごし方が相性も良い気がする。信頼しあえるチームもゆっくりと築きづつ、じっくりと目標に向かって前進していくような、そんな日々楽しい時間をこの空間で過ごして頂きたい。
EDITOR’S EYE
部屋の端から端へクネクネと続いていくような、オリジナルのベンチ&デスク&棚の造作がいいキャラクター性もあってまた面白い。個性的な空間なため、写真だけだとなかなかこの空間の良さが伝わりづらいので、ぜひ一度、試しにどんな空間なのか見てみてもらいたい。