神宮前オフィス | 共有部充実の大型シェアオフィス
EDIT
>>LOCATION
原宿・北参道・外苑前・千駄ヶ谷など、どの駅からも程よく距離を保った立地にある神宮前2丁目エリア。ローカルカルチャー感が強く、かつては“ツウ”な人が好むエリアという印象だった。それが、昨今では“奥原宿”とも言われ始め、広くパブリック化されつつある、今ジワジワときている街だ。この建物は、そんなエリアのメイン通り沿い。ヴィンテージマンションとして有名なビラ・モデルナのちょうど向かいに立っていた。
>>SPACE
美容系企業の自社ビルだった建物をフルリニューアルし、2022年2月にグランドオープンしたばかりのこの施設。1Fは飲食店舗とガーデンテラスの広がるパブリックエリア。今回はその上にある、サービスオフィス区画だ。
内部へ入ると、建物共有スペースの充実感にまず引き込まれてしまう。ホテルライクなラウンジやバーカウンター、MTGスペースももちろん備わり、1Fのガーデンテラスの他に、屋根の上には隠れルーフトップ(ここはめちゃくちゃ気持ちがいい!)まで。そんな充実し、色濃い共有部とは対象的に、貸室内はだいぶシンプルな印象。スケルトン天井仕様のシンプルな箱で、2ツーンカラーであっさりと。天井高は3.3〜3.6Mと高いため、窮屈感もなく、時間によって陽もよく入るので、雰囲気は上々だ。最初は少し味気なさも感じたが、共有スペースが充実している分、室内はこのぐらいあっさりでいいのかもしれないとも思えてきた。むしろ共有部や1Fのガーデンテラスなど、積極的に共有スペースへ出ていって、そこでのコミュニケーショを誘発させたいという思惑を感じさせられるような建物だった。
>>WORKSTYLE
この施設の”らしさ“とも言えるのが、パブリックな中庭のテラスではないだろうか。道の延長上のような街に解放されたスペースで、今後1Fのカフェなどがオープンすると、より様々な人が入り混じり、自然とオフィスと街がコネクトしていく。元々、プライベート&パブリックをうまく建物内に混合させたのがシェアオフィスという作り方。しかしこの施設は、建物外へと飛び出し、街を巻き込んだ大きなシェアオフィスというイメージに近いパブリック性があるだろう。また、それが独特のローカルカルチャーを築いてきたこの神宮前2丁目にあるからこそまた面白く、ただこのビルで働くのではなく、この施設内に生まれるローカル性と、さらに施設から飛び出して、この街で働くという事に広がりが生まれるのではないか。それによってこのエリアらしい面白い関係性、働く時間が得られるんじゃないかとこの施設は期待させてくれる。少し抽象的になってしまったが、そんな愛おしきローカルの可能性を秘めたこのオフィス。いつかこの建物から巣立っていったとしても、ここでの時間が長く記憶に残こり、ここで出会った仲間ともよき仕事のパートナーとして、いつまでも繋がっていったら素敵なストーリーだ。
EDITOR’S EYE
1Fに今後カフェやレストラン、クラフトビールのお店もオープン予定だという。さらにそのクラフトビールを、シェアオフィス内のバーカウンターでも提供予定というからまた楽しみだ。また、館内のグリーンはすべて、人気の「SOLSO FARM」によるものだという。所々いいツボを押さえていて、なんともニクい施設だ。